対談講演会、「読んでほしい6冊」終わる
2017.11.11 Saturday 06:58

 

100分間、香山リカ先生と私の対談。その時間を使い,6冊の本を紹介し、そのはいごにあるテーマを論じた。

10分休憩をはさんで、20分間、今度は会場からの質問票をもといに、互いに質問しあい、話し続けた。

かけあしで駆け抜けた感じであった。内容については別途報告したい。

 

(写真は木下氏からの拝借)

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「キリスト教は役に立つか」を読む
2017.11.09 Thursday 08:24

 

『キリスト教は役に立つか』、

(新潮選書)来住英俊著。1,300円+税

 

この本は、今回、求道者に読んで欲しい3冊の本のひとつとして私が選んだものだ。

他の2冊は肩に力が入りすぎてしまったが、3冊目のこの本だけは入門書である。

 

ただし思い切りユニークな切り口である。

 

著者はキリスト教用語を使って教理や体系を持ち出すようなことはしない。

むしろ自分の実感に基づき、キリスト教信仰をこう要約する。

 

キリスト教信仰を生きるとは、人となった神、イエス・キリストと、人生の悩み、喜び、疑問を語り合いながら、共に旅路を歩むことである。と。

 

そして著者は、平易な口調で,自身の要約を補うような意図で、50の短いエッセイを並べていく。

 

ここの問題意識に私は大いに共鳴する。

伝統的には、そして教理的には「イエス・キリストの十字架による罪のあがない、そして復活」を信じることが、信仰の中心として説明されることが多いが、そしてそれはその通りであるのだが、個人ごとにキリスト教との出会いはいろいろあるはずである。キリスト教信仰の入り口にあって、個人の物語がもっと多彩に語られて良いのではないかと私は思う。

 

著者は、「強烈な回心体験」についても、自らの回心体験を分析し、ゆっくりと静かに成長する姿も忘れないよう助言する。

そして日本人が信仰を持つに至るプロセスを4段階のイメージで説明している。

 

第一段階

私の世界にイエスがいない状態

 

第二段階

私の世界の端っこに、イエスらしきものが現れる。

例;クリスチャンの友人、キリスト教関連の書籍など。しかし、私の生き方に影響はない。

 

第三段階

私の世界の中にいるイエスは、人物としての影を濃くしていく。時々、祈る。生き方が少し変わってくる。

 

第四段階

イエスが中心の世界に変わる。

 

この図解は興味深い。特に第二段階・第三段階についてもっと光を当てるべきである。

共に旅するイエス・キリストは、一人一人の体験の中に立ち現れてくる。それは通常長い年月をかけて少しずつ起こること

である。

わたしはエマオ途上の二人の弟子が同伴するイエスのことをイエスと認識せずに語り合ったエピソードを想起した。

 

さてこの本は、入門書とはいうものの、いろいろな膨らみがある。問題意識や疑問をすぐに完結させるのではなく、時間をかけて、イエスと語り合いながら考えていくのが良いのであろう。

 

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「強い人と弱い人」を読む
2017.11.06 Monday 09:54

 

『強い人と弱い人』、

(日本基督教団出版局)ポール・トゥルニエ著。2808円

 

この本も、今回、求道者に読んで欲しい3冊の本のひとつとして私が選んだものだ。

先の推薦本「〜最高の私になる」と同様、

かならずしも「求道者」向けではない。

かなり本格的に信仰をそして人間心理を考察している。

しかしながら、私のチョイスは3冊のうち2冊までが趣旨からそれてしまい、肝心の求道者が読むことに配慮していないという悪いパターンを続けている。

 

しかし、そうはいってもこの本の魅力は並大抵のものではない。

 

著者は、まず私たちの中には「強い人」「弱い人」という素朴な2類型があることを指摘する。しかしそれは外に現れた反応が強いか弱いかの違いでしかなく、すべての人は怖れを持ち、弱い人である。人は誰でも、他人を、自分自身を、生を,死を、神を怖れている。そう主張するのである。

 

著者は2つの反応を、精神科医として、信仰者として、臨床事例をふんだんに引用しながら解説する。

そして、信仰の力という(強い反応による策略とも弱い反応による策略とも違う)道を示す。

 

この信仰による解決についても、多岐にわたる指摘が並ぶのであるが、次のような考察は今の私の関心に響いてきた。

 

人には三つの態度がある。第一は他の人に主張するようなことはせず、受動的に服従する「弱い反応」である。

第二は他の人を支配するために圧力をかける「強い反応」である。

第三は自分の弱さを認め、神の意志に従う「神に向けられた道」であり、それは二つの反応を調和させ、本当の統合に人を引き上げる。神は私たちの弱さ私たちを救い出すこともよくあるが、全く違った力(弱さを受容する力)を私たちに与えることもよくある。

 

さて、「強い反応」の文脈のなかで、

伝道する側の強制や支配と、伝道される側の防衛についての指摘が行われており、興味深い。

 

著者によると、伝道する側にはいくら誠実であっても「強い反応」が混入しやすい。その人を支配できるという誘惑が働く。

自分が神の意志の代弁者であるかのような主張をすることもある。

また日頃接触している人々(親子や夫婦の片方が信仰者)の回心を妨害しているのは、信仰を受け入れることはその人に降伏することに成りはしないかという怖れがある。

さらに、他の人が自分と同じ道を通って信仰に行き着かねばならないとかんがえることも用心しなければならない。これも強制のひとつとなる。

 

もう一度、伝道する個人および教会の、善意であるが、強制や支配の影響関係について再考してみる必要がありそうである。

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「神が造られた『最高の私』になる」を読む
2017.11.01 Wednesday 18:11

 

『神が造られた「最高の私」になる』、

(地引網出版)ジョン・オートバーク著。2,400円+税

 

この本は、今回、求道者に読んで欲しい3冊の本のひとつとして私が選んだものだ。

この「求道者」というのは、キリスト教信仰に親和しているが、洗礼には至っていない人をさす。

さらに、素朴にキリスト教に関心があり、「にわかファン」的な人たちも含めているつもりだ。

 

そんな趣旨なのだが、この本はけして求道者向きの本ではない。心憎い切り口に満ちた信仰者向けの、

それもベテラン信仰者向けの本である。趣旨からそれてしまうが、それでもこの本の魅力が勝っていると考えた。

(推薦する側が自分たちの内部からばかり語り、教会の外に届かないという、一番悪いパターン)

 

この本の独自性を要約すると、こう言えるのではないか。

 

人が信仰者として成長するとき、すべての人が画一的に同じタイプの人になるわけではない。神は一人びとりに異なる個性を造り、個性に応じた信仰の入り口をもうけ、個性に応じた信仰の成長を導かれる、ということだ。

 

ここが確立していないと、自分ではない誰かになろうとしたり、見せかけの自分になろうとしたりしがちになる。

 

だから著者は、第4章では、「自分に合った成長の仕方をみつける」ことを大事にし、

第13章では、「自分にとっての最大の障害を見極める」ことを勧める。

 

たとえば第4章には、「神に近づく道」が9つあるとある。

自然派(自然の中に神を見いだす)や、奉仕派(他者に仕える中で神と出会う)、知性派(学ぶことによって神を愛する)など、9つの項目が簡略に示されている(94p)。ここで著者は、それらすべてを実践するのでなく,自分の個性に合うものひとつかふたつを選ぶことを勧める。あくまでも個性にこだわるのである。

第13章では、エニアグラムという性格の9類型が詳しく紹介されている。自分の個性を学ぶことで、自分独自の罪のパターンを学ぶことが出来、また自分が最も霊的にいきいきとするために必要なものもわかるとしている(260-276p)。個性を意識することで、信仰生活の姿が急に具体的になってくる。逆にこういう具体性がないと、すべての良いことに挑戦し続ける修行者になってしまう。いきいきとせず、挑戦はするが継続しないのである。

 

私は中学1年のとき、信仰を持った。静かな決心であり、その後の歩みも静かなものであった。同じ教会の礼拝にたんたんと通い続けたし、今もその教会に通い続けている。しかし周囲の同世代の人たちのクリスチャンになる告白(証し)を聞くにつれ、それらが劇的であったり、深い葛藤を伴うものであったりするものが多くて、面食らった。そんなとき、「人間の気質と信仰」(聖文舎、ハレスビー、絶版)を手にした。そこには気質の4類型に沿って、信仰の持ち方や成長の仕方が書かれていた。私は粘液質に相当し、信仰を静かに始める、というようなことが書かれていて、私は大いに安心し、また納得したのであった。

 

 

 

 

 

 

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店頭のイシグロ作品が消え、11/10対談の空き席が生まれる?
2017.10.30 Monday 08:15

 

 

 

カズオ・イシグロ氏が、ノーベル文学賞をとり、一時的に書店から本が消えた。
増刷に次ぐ増刷。それでも末端の書店にはなかなか回ってこなかった。
今度の11/10の対談講演会。
香山リカ先生が3冊。藤掛が3冊、信仰者や求道者に読んで欲しい本を紹介する企画。
15:20〜17:45(開場14:50)
香山先生がその3冊目に、カズオ・イシグロ氏の「わたしを離さないで」(早川文庫)をエントリーさせた。
私は早々に中古品(実質は、新品で値段が2倍半になったもの)で入手していたが、
それでも対談講演会当日には、街の本屋に並んで欲しいと心配していた。
2日前、自宅最寄りの書店にぶらりと立ち寄ると、なんと!イシグロ作品が大量に積まれていた。
ありがたい、ありがたい。
そのことと因果関係はないが、会場準備も担当者がいろいろと工夫している。
相関関係くらいはありそう。

対談で取り上げる本
A 香山リカ先生の3冊
1.「教誨師」(講談社) 堀川 惠子
2.これからの「正義」の話をしよう (早川文庫) マイケル サンデル
3.わたしを離さないで (早川文庫) カズオ・イシグロ

B 藤掛の3冊
1.キリスト教は役に立つのか(新潮選書)  来住英俊
2.神が造られた「最高の私」になる(地引網出版)オートバーク
3.強い人と弱い人(教団出版局)ポール・トゥルニエ

 定員拡張しました。
 上記HPで「申し込み終了」になっていなければ、空き席ありです。
 ご検討ください.
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新学部の開設記念講演会
2017.10.28 Saturday 21:47

 

今日、10/28は、職場の大学で「心理福祉学部開設記念講演会」という広報目的の講演会があった。

 

「虐待する親と必要な支援」と題して中谷茂一教授が、

そして「非行少年の心の世界と支援」と題して私が講演した。

 

私は2人の非行少女の事例。コラージュ作品を使って彼女らの世界をお話しした。

 

 

 

面白かったのは、全体のプログラム時間が、15分くらい余ったので、

司会者の機転と質問で、私の提示した最後の事例を素材に、中谷教授との即興の

トークを始めたこと。

 

ちなみに今週は、職場の大学で、10/25(水)に「キリスト教と諸学の会」というのが

あり、順番で私に回ってきたので、

「コラージュ療法で使う台紙のサイズについて〜非行カウンセリングから牧師の心理的支援まで」

というタイトルで登壇した。会場は今日と同じである。

 

今週も、あいかわらず声の調子が良いわけではないのだが、

声を張らずに、小声で話し、ハンドマイクの向けどころを意識するスタイルにして、

結果的にうまくいった。ま、偶然かも知れないのだが。

 

それからつづけてコラージュ事例を使ったのも、自分では興味深い。

声の解説でなく、絵をして絵に語ってもらおうという感じなのかもしれない。

 

 

 

 

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11/10対談講演会に、オアシス新宿店さんが来ます。
2017.10.25 Wednesday 22:03

11/10対談講演会
信仰者・求道者にお勧めする本

<キリスト教書籍・編>

 

当日、「オアシスブックセンター新宿店」が出張販売に来ます!

 

「対談で取り上げる本」は6冊あるのですが(一般書3冊、キリスト教書籍3冊)、

キリスト教書籍のほうを関連書籍を加えてふくらませてみました。

出張販売を当日利用する際の参考に!

かなりお節介。しかも偏っている。そして自著を忍ばせている。

 

<ただし、ここで挙げた本が出張販売で買えるかは、不明(笑)>

 

▼キリスト教の入り口の物語を考える

1.キリスト教は役に立つのか(新潮選書) 来住英俊   

1b. 目からウロコ・シリーズ                                         
   「キリスト者同士の人間関係」ほか多数                     
   いずれも来住英俊(女子パウ会)                            

1c. もっと教会を行きやすくする本(キリスト新聞社)

      八木谷 涼子

 

▼個性と信仰

2.神が造られた「最高の私」になる(地引網出版)   

  オートバー                                               

2b. あなたがずっと求めていた人生(地引網出版)    

  オートバー                    

2c. こんなにすばらしい救いを 日本でクリスチャンとして生きること(いのちのことば社)小助川次雄

2d. 9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係 (PHP文庫)鈴木秀子

 

▼カウンセリングと信仰の統合

3.強い人と弱い人(日本基督教団出版局)
   ポール・トゥニエ                        

3b.人生の四季        (日本基督教団出版局)

  ポール・トゥニエ

3c.生の冒険(日本基督教団出版局)

  ポール・トゥニエ

3d.キリスト教カウンセリング講座

 「人生の後半戦とメンタルヘルス」など多数

 (キリスト新聞社)巻ごとに執筆者

3e.ありのままの自分を生きる(一麦出版)

  藤掛明

3f. 健全な信仰とは何か(いのちのことば社)

   丸屋 真也

3g. 境界線(バウンダリーズ)(地引網出版)

    ヘンリー・クラウド

 

 

 

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11/10、対談講演会・書名の発表(藤掛の3冊)
2017.10.21 Saturday 04:45

 

藤掛の選んだ3冊

(1)「キリスト教は役に立つか」来住英俊著、新潮選書

 

 

(2)「神が造られた『最高の私』になる」オートバ−ク著、地引網出版

 

 

(2)に付け足し

「9つの性格」鈴木秀子著、PHP文庫

 

 

(3)「強い人と弱い人」トゥルニエ著、教団出版局

 

どの本も魅力的です。

「求道者に読んで欲しい」というチョイスですが、

信仰者が自信の信仰を再確認する、というほうがいいかもしれません。

 

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11/10、対談講演会・書名の発表(香山先生の3冊)
2017.10.18 Wednesday 22:33

 

香山リカ先生の選んだ3冊。

(1)「教誨師」 堀川 惠子著 講談社

 

 

(2)「これからの「正義」の話をしよう」マイケル・サンデル著 ハヤカワ・ノンフィクション文庫

 

 

(3)「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ著 ハヤカワepi文庫

 

香山先生が信仰者に向けて,何を語るのか?

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宣伝:10/28「子どもの危機と心理的・福祉的支援」で登壇
2017.10.18 Wednesday 10:52

 

■心理福祉学部心理福祉学科開設記念講演会「子どもの危機と心理的・福祉的支援」

 

【日 時】 10月28日(土)10:00-11:30 ※(申込不要・参加費無料)
【会 場】 聖学院大学 教授会室
【講 演】 
 ●講演「虐待する親と必要な支援」 中谷 茂一(人間福祉学科長・教授)
 ●講演「非行少年の心の世界と支援」藤掛  明(こども心理学科教授)

 

私は講演2番手で、30分の持ち時間です。

 

家出少女(中学生)と自立女性(19歳)の覚醒剤ケースを、2ケース。

彼女らの描いたかなりユニークな絵画作品(コラージュ作品)をお見せします。

彼女らの人生で起きていること、そして今後起こるであろうことを考えます。

 

また最後には、福祉と心理の連携について、それぞれ異なった方法を堅持しながら、

だからこそ効果があげられることについて、述べたいと思います。

 

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