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書評「あなたの天職がわかる16の性格」
2008.08.30 Saturday 11:26
●「あなたの天職がわかる16の性格」P.D.ティーガー著
                  栗木さつき 訳 
                  主婦の友社 1500円+税
                  2008年7月 1刷発行



 血液型性格本というジャンルがある。最近も少し切り口を変えた血液型本がベストセラーになっている。私は血液型性格については、まったく根拠のないものだと思っているが、それでは排斥すべきかとなると、そうは思っていない。むしろ推奨したいほどだ。

 なぜなら、まず自分や他人の性格をあれこれと思い、ああだこうだと推測したり、発見したりすることは、良いことだと思うからだ。さらにいえば、人の性格を考える上で、「類型」を手がかりにすることは非常に入りやすく、かつ深みにも到達することが可能な良い方法だと思うのである。血液型性格論も、リアルな血液とは別に、そういうネーミングの性格4類型として考えれば、味わう深いものがある。

 しかし、類型も、どのくらいの数の類型なのかも大切だ。少なすぎても、複雑すぎても良くない。また、できれば深い理論背景を持っているものが良い。さらに言えば、その類型が社会的にも知られ、優れた解説者が流通してもらえれば、かなりありがたい。

 最近手にした本書は、このような性格の類型論の良さをすべて具現してくれたものだ。ユングの性格論に基づき、16類型をとりあげ、ほどよい詳しさで、各性格を解説している。また後半では、「天職」(職業適性)を扱っているが、内容は広く職場適応などにも及んでおり、私のようにすでに仕事についている者にとっても役立つものになっている。たとえば、人とのつきあい方や物事との進め方、決断の仕方といった事柄を、「職場」を仮定してかなり具体的に解き明かし、助言を与えてくれる趣向だ。

 この本は、専門書のレベルを持っているが、一般書としてまったく遜色のない平易さ、親しみやすさを備えている。そう、血液型本の次に読んでも、きっと満足させてくれるはずだ。
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書評「成功術 時間の戦略」
2007.03.28 Wednesday 19:32
●「成功術 時間の戦略」 鎌田浩毅 編
             文春新書  680円+税
             2005年5月 1刷発行
 
 何かを学び、何かを会得したいと思うとき、それが知的な内容なら、本を読み、講義を聞けば事は済む。しかし、たいていの場合、それだけでは吸収できない。職人の親方が弟子に技術を教える場合、知的な伝達だけではないだろう。芸術家、起業家、政治家、スポーツ選手・・・どれもこれも、そうだ。肝心なものは、体感的であり、芸であり、「悟り」が必要なのだ。
 この新書本は、火山学者が大学で学生達に教えてきた、いわばそうした「悟り」をまとめたものである。時間、勉強、対人関係、読書、教養、独創性、オフの使い方などがテーマとして扱われる。処世術のようの表面的なテクニックでなく、深遠な人生訓のように抽象的でもなく、ひたすら生活と人生の知恵を説く。文章があまりにも単純明快で、読んでいると底の浅い人生訓につきあわせられているように感じもするが、いやいやどうしてどうして、読み終わって遠目にこの本を眺めると、先輩の体感が伴った「知恵」の本であることがわかる。
 
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書評:実践的ライター入門
2007.02.26 Monday 22:32
 ●「実践的ライター入門」       松枝史明 著
                    PHP研究所  1,710円                           04年12月発行
 
 ライターとは、他人の著作を書く人のことで、執筆者としてはプロ中のプロだ。そのライターの売れっ子が、そのノウハウを公開したのが本書である。書評というより、私が教えられたポイントを以下にレジュメのように列記したい。

 1.本を一冊書くというのは、パラグラフをたくさん作って、順序よく並べ、見出しをつけること。600から800個のパラグラフを作れば、本一冊ができあがる。
例)「バカの壁」見出し95、パラグラフ700。
一日に30パラグラフ作れば、1ヶ月かからずに一冊分できあがる。鉛筆2
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書評:東京おさぼりマップ
2007.01.27 Saturday 21:50
 ●「東京おさぼりマップ」 東日本仕事と憩い研究会 編
                    山海堂  1,000+税
                    06年12月発行
 
 サブタイトルや帯コピーで、本を思わず買ってしまうことがある。この本もそうだった。
 サブタイトルは「リフレッシュスポット230件徹底ガイド」。・・・これはそうたいしたことはない。 帯コピーは「全営業マン必携!外回りのバイブル」。・・・これまたイマイチ。 さらに続く、帯の小さなコピー「仕事途中に行けるフリー&格安休息スポット!」。・・・さらに平凡。
 しかし、扉のコピーにはびっびっときた。
 「午後3時のビジネスマンたちへ。必要なのは、20分間のリフレッシュ」。

 びっびっときたのは「20分間」というところ。日頃、私は、人にも自分にもリラックスしようと持ちかけるが、ちょうど、どこどこに行った帰り道にとかに、ほんの少し出来た時間の使い方こそ、難しい。それもリラックスし、ぼーっとできる時間。
 漫画喫茶、ホテルロビー、デパート屋上、展望台、図書館、ショールーム、カプセルホテル、区役所、学食、公共施設、書店、記念館、美術館、動物園、喫茶店、家電量販店、河川敷、ショッピングセンター、レンタルオフィス、銭湯、交通機関。

 リラックスの極意を2つ。1つは、慣れ親しんだ場所・方法をまずは確保。2つは、リラックス方法の選択肢をめいっぱい広げておくこと。この本は確実に選択肢を広げてくれる。
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書評:「気持ち整理&生き方発見」
2006.12.07 Thursday 11:36
 ●「気持ち整理&生き方発見」賀来周一著
                    キリスト教視聴覚センター 1,500+税
                    04年11月発行

 河合隼雄という臨床心理学者がいる。日本に心理カウンセリングを普及させた第一人者である。もともと臨床心理学の専門家養成に力を注いでおられる方であるが、同時に書籍や講演会、テレビ番組出演などを通して、一般社会にも啓発活動を行っている。数年前にはとうとう文化庁長官にまでなってしまった。

 彼は人に「魂」の世界があることを主張し、人は死について真剣に向かい合わないといけないことを、また、人の思惑を超えた意志のあることを、実にみずみずしく説いてまわっている。まるで牧師のようである。(もっとも河合氏はキリスト者ではない)

 ひるがえって、キリスト教信仰を持ち、その豊かな魂の世界を知りながら、河合隼雄氏のような発信活動を行う牧師は現れないのであろうか。私は長らくそうした疑問を抱いていた。

 ・・・いました。賀来周一氏。いま一番、きちんと魂の世界を一般社会に発信している牧師にしてカウンセラーである。本書はその到達点のようにも思う。

 もう少し聖書寄りなら「新版・実用聖書名言録」(キリスト新聞社)、もう少し教養話寄りなら「サンタクロースの謎」(講談社+α新書)。いずれも同じ著者によるものであるが、語りかけてくる世界は共通して、深くて温かい。

(05年05月・執筆)
    

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書評:「秘伝(プロ編集者による文章上達秘伝スクール)」
2006.12.07 Thursday 11:35
●「秘伝(プロ編集者による文章上達秘伝スクール)」村松恒平著
                   メタ・ブレーン 1,800+税
                   02年12月(増補改訂版05年4月)発行

 文章作法の本はいくらでもある。しかし、それらを手当たり次第に読んでみると、いささか食傷気味になる。

(実はけっこう読んでいる)
 そこには似たか、よったかの、指摘が並ぶ。
(そうした本なら私にもすぐに書くことができる)

 ところがこの本はまったく違う。そこらの文章作法の本とは質的に違う。「深い」のである。

(この深い、というのが私にはたまらない)

 ちょうど、師匠が弟子に中級以降の技を、特別に伝授してくれるような凛とした厳しさがある。

(そしてその背後には暖かさも私は感じる)

 内容はQ&A形式で、質問者も真剣なら、回答者の著者も真剣である。

(そして読者である私も真剣になる)

 いわく。「長く書いたものを削る、という癖をつけてはいけない。推敲は頭脳の内部で行う。1回書いたらそれが完全原稿。読み返しても1回。はいはいにこだわっている限り、立って歩くことはできません」

(ぐさっ)

 いわく。「ある出来事が起きたとき、’私’はそれを観察します。しかし、その出来事によって実は’私’の中にもそれに対応した変化が起きているのです。それが出来事の全体です。その二重の変化を観察し、描写する視点を得たときに、表現の可能性は無限大になるのです」

(恐れ入りました)


 (05年05月・執筆)    




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「シャガール・色彩の詩人」
2006.12.07 Thursday 11:33
 ●「シャガール・色彩の詩人」D,マルシェッソー著
                       創元社 1575
                       1999年10月発行

 創元社のヒットシリーズ「知の再発見」双書の一冊。期待に違わず、コンパクトに、おいしいところ天こ盛りに図と解説が続く。

 敬虔なユダヤ教徒の家庭に育ったシャガールには、旧約聖書の魂を感じさせてくれる比喩の世界がある。人が空を飛んだり、いろいろなものが画面に浮き上がってくるイメージを眺めるのが心地よいのは、そうした比喩の世界を切り捨てがちな現実があるからだろう。

 自分を振り返ると、この年末年始は、比喩のない「現実」を考え、格闘することが多かったように思う。だからだろうか、つい最近「パステルによるシャガールの聖書」(岩波書店、大型本)を衝動買いしてしまった。

(05年01月・執筆)


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「中学受験、する・しない?」
2006.12.07 Thursday 11:30
 ●「中学受験、する・しない?」井上一馬著
                  ちくま新書 680+税
                  01年12月20日発行

 どうも近頃の子育て書や学力論は、産業界の圧力なのか、あるいは教育産業の生き残り策なのか、親の不安を過剰に刺激するものばかりだ。どれも扇情的にすぎるように思えてならない。

 この本もその手のものかというと、さにあらず。著者は日米の文化を論じ、英語教育に一言ある在野のライターである。そして本書は多少の受験情報が出てくるものの、その本質はドキュメンタリーである。我が娘2人を私学中学に進学させた、一人の父親としての素直な体験談がベースになっている。随所に出てくる私見も小気味はよいが、それ以上に娘を想う親心に響いてくるものがある。長姉が2校続けて不合格となり、3校目で、それも第一希望の学校で合格となったときに、著者が涙する場面などは、読んでいて感動すら覚えた。

 きっとこの読後感の満足感や安らぎは、何かを教えてもらうのではなく、体験者の飾らない告白に、読者が共振するからであろう。心理臨床にたとえるなら、指導でも講義でもない、カウンセリングですらない、「語りっぱなし、聞きっぱなし」の自助グループに参加した心持ちであろう。

 気が付くと、受験生の父である私がいた。

(04年12月・執筆)    

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書評:「知って役立つキリスト教大研究」
2006.12.07 Thursday 11:27
 ●「知って役立つキリスト教大研究」八木谷涼子著
                    新潮社oh文庫 829+税
                    2001年12月10日(現在3刷)発行

 不思議で、納得の、そして感嘆の一冊。

 なぜ不思議かといえば、無宗教の一翻訳家が、膨大複雑なキリスト教の隅々までを解説しているからである。ここまで調べるのに、それも文献だけでなく、実際に赴き、口コミ次元の情報を集めたであろうことを思うと、どこからそんな情熱と意欲が沸いてきたのだろうかと思ってしまう。

 では、なぜ納得かといえば、説明の内容がある程度きちんとしているからである。普通、かなり的外れであったり、一部の意見を鵜呑みにしてしまい、偏ったものになりがちであるのだが、著者はそれをおおむねクリアしている。考えてみると信仰を持たず、一翻訳家としてのスタンスを保てばこそ、中立的な視点が維持できたのであろう。

 では、なぜ、感嘆かといえば、信仰者では取り上げないようなことを、はたから眺めて、新鮮に解説しているからである。教派ごとの特徴解説は類書によくあるが、その教派を背景とした映画の紹介、用語の問題(さすが翻訳家)、さらには「礼拝に行ってみると」「人の傾向」など神学や宗教家では絶対に思いつかないような視点での記述が続く。コラムや用語解説も、一皮向けた解説がつく。

 カウンセラーや、精神科医、そのほか人の援助にかかわる人にこうした実感のある?宗教解説をぜひお読みいただきたいと思う。キリスト教信仰を持った来談者や生徒が発言する背景や真意が見えてくることがあるのではないかと思う。ささいな言葉の問題から、治療構造の作り方まで、随所に工夫が可能であるはずだ。思うに日本の臨床現場の場合、宗教に無知であるがために、宗教的な背景のある発言やエピソードに、否定的に反応しすぎる傾向があり、治療の障害になっていることが多いのではないか。

 私も、「カウンセラーのためのキリスト教入門」なんていう専門書、書いてみたいなあ。ちなみに宗教家自身が書いた解説本では、「よくわかるキリスト教の教派」(キリスト新聞社刊、私が持っているのでも第5版第3刷)をお勧めしたい。

(03年6月・執筆)


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書評:「驚異の「鞄」活用術」
2006.12.07 Thursday 11:25
●「驚異の「鞄」活用術」太田垣博嗣著
                     すばる舎 1500円
                     2002年5月25日発行

 著者は問う。
 1.鞄の中がいつも雑然としていて、欲しいものがすぐに出てこないのではないか。
 2.鞄が重すぎないか。
 3.オフィスと鞄を上手に連動させているか。
 4.自分の仕事スタイルに合った鞄を使っているか。

 鞄ブランドをいろいろと解説する類書や雑誌記事はありそうだが、「使い方」にきちんとこだわるものは少ないのではないか。(この本も実は後半3分の1くらいをそうした記事にあてているし、選び方の指南も付いている)

 わたしなどはこれまで素朴にビジネス鞄は「移動するオフィス」を理想と考えてきた。「あると便利なもの」をとりあえず入れておこうと思っていた。折り畳み傘、地図、便せん。すぐに読まない雑誌と文庫本。つい入れてしまうものである。

 それでも、公務員時代の私は、職住接近で、面接など特定の資料に限られていたので、鞄は重かったものの、大きなトートバックでそれほど不自由を感じなかった。ところが、現在の研究所勤務となり、活動の幅が広がり、全体の仕事量は減ったように思うが、内容はかなり多彩になった。鞄から必要なものがなかなか取り出せず、書類だけでもすぐに膨れ上がってしまう。帰宅時の電車内ではその重さにいらいらしてしまうこともある。

 著者は、こうしたわたしを見据えるかのように、鞄には「なければ仕事ができないものしか入れない」「アフター5は仕事以外のものは持ち歩かない」と説く。サンダーバード2号のコンテナのように、職場からの外出時などに「中身は現場で使用する装備」をするというわけである。そして仕事に対する取り組み姿勢や計画性が明確になっていれば必携品はおのずと決まってくると、とどめをさす。

 そして定期点検法として、週1度の点検と、3か月に1度の、鞄を持たない手ぶら出勤をして、本当に必携品かどうかを再確認することを提案している。

 本書は鞄のノウハウ本ではあるが、背後に著者の発想法というか哲学があるので、読みながら幾分ではあるが内省的な気持ちにさせられた。自分の鞄がすっきりとなるとは思えないが、せめて、コンテナを6つくらいは装備できるようにしてみようか。

(03年05月・執筆)

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藤掛 明
雨の心理的イメージを鍵に、雨の降る物語を読み解く。カウンセリング論であり、人生論でもある。
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