文庫:「本を読むわたし」(華恵著、ちくま)
2011.10.09 Sunday 14:54
  「本を読むわたし: My Book Report」(華恵著、ちくま文庫、735円)

 「わたしの読んだ本」ではない。本を読む「わたし」の世界を味わうことができる。
 2006年発刊の同名の単行本の文庫化。

 実は、私はこの本には思い出がある。
 当時、雨の降る場面を扱った小説や随筆を集中的に読んでいた。
 「人間の援助する・される」とうテーマを意図して、主に絵本をあさっていた。
 ところがこの本の

 ”きつねの話「てぶくろを買いに」「きつねとぶどう」”

 という章を読んだところ、雨の描かれる中での作者の心の流れに感じ入った。
 そこで、急きょ、絵本の合間に、この本の解説を入れたのだった。絵本というのは、煮詰めたような比喩や元型が色濃く表現されている。それらに(私のなかで)対等に存在感を主張した、という、その一点をもっても、作者の感性を感じる。

 →「本を読むわたし」の私の解説 http://fujikake.jugem.jp/?eid=1972

 (その雨の本は、紆余曲折を経て、昨年「雨降りの心理学」(燃焼社)として世に出した)

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書籍「あるケアのかたち 〜病む心の怒りと悲しみ」
2011.04.05 Tuesday 07:00
 

 鈴木正子著。 [対談]平山正実×鈴木正子
 すぴか書房。2,400円+税。2006年11月。

 著者による看護論の集成。著者は広島大学を教授で退職後、東洋英和大学大学院の博士課程(平山正実氏が指導教授)に進み、そこを修了。死生学を視野に入れた看護学を作られていかれた。現在、東都医療大学教授。

 著書との出会いは、私の職場のボスの平山氏を通してではない。なんと鈴木氏は、私の実家の隣にご自宅を構えておられる。私の母が庭いじりをしているとき、お隣さんの鈴木氏と挨拶や世間話をするおつきあいがあって、ひょんなことから息子も大学に勤めているという話になったらしい。

 世間は狭い。
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書籍「わが故郷、天にあらず」
2010.08.29 Sunday 23:38


 「わが故郷、天にあらず」(ポール・マーシャル著、島先克臣訳、いのちのことば社、2004年)
 1,600円+税。288頁。

 キリスト教プロテスタントの、霊性運動と呼べるものがあると思うのだが、このマーシャル氏の世界観は、そうした運動の理論的一翼を担えるものだと思う。

 …「ほぼ日手帳」の、日々の言葉ふうに、断片的に引用してみる。括弧内数字は、頁。


〇笋燭舛凌誉犬盖蚕僂癲△い辰擇鵑忙転紊って終わりになるような形で与えられてはいない。私たちは一生をかけて発見し、成熟していくのだ。62


▲リスチャンにとっては聖書を知るだけが召しなのではなく(もちろん一節一節知らなければならないのだが)、神が私たちを置かれたこの世界を知り、そこから学ぶことも召しなのだ。 62


この世界の中で誠実に学習しようとするとき、それがどこであろうと何であろうと、たいていは多くの人々から、また多くの物から学ぶ。だが、究極の教師は常に神ご自身である。 63


い海了纏と休みのサイクルは、神への信頼と密接に結びついていた。もし本当に7年目に休むとすれば、植えることも、刈り取ることもできないので、その年を生き抜くためには、6年目に土地が余分に作物を産出するという神の約束を信じなければならなかった(レビ、25:18-24) 110


サ戮發Δ箸垢襪箸、私たちは自分の無力さを認めなければならない。休みとは、しばらくの間、世界を先に進むままにしておくこと。真の休息は、神も私たちの兄弟姉妹も、私なしでもやっていけると認めること。休息は自分の計画ではなく、神の方法に委ねること。それは祝いのひと時で、祝福が神の御手だけから来ることを知ること。 112


ν靴咾蓮▲リスチャンにとって最も崇高な召しの一つだ。私たちの世活の多くの時間は、何かを生産したり変えたりすることに使われているが、遊びはそうではない。単純にこの世界でくつろぎ、神との平和を楽しんでいるのだ。  118


Э世六笋燭舛鯀和の亘かで芸術的な被造物として造られた。人間は、芸術家である神ご自身に似せて造られたからだ。  169


料理をし、服を選び、家のインテリアを考え、人前で話すとき、神が下さった芸術性と想像力を使ってそれをなすように(私たちは)召されている。 170

 
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夏の青い風景で、ファミリー・フォーラム・マガジン最新号
2010.06.08 Tuesday 15:32



ファミリー・フォーラム・マガジン」2010年夏号が出た!

発行のファミリー・フォーラム・ジャパンは、キリスト教的立場から家族問題の啓発活動を行う団体。
私の独断では、もともとかなり保守的で硬いスタンスにある。一歩間違えれば教条的なトーン一色に陥りかねないのだが、そこはどっこい(中心的活動の雑誌をみると)一歩踏み込み、一歩リアリズムをきちんと追求している。
今回も、特集は「同性愛と性同一性障害」と意欲的。

私は、連載記事で、注目しているものが2つある。

ひとつは…

 ▲堀先生に聞いてみよう: 「子どもに見せる映画のことで、妻と衝突します」   

これは堀先生の深いまなざしで読ませてくれる。

もうひとつは…       

 ▲ケイティ・コールの整理術:「時間の管理」

こうしたテーマは、キリスト教雑誌や書籍に、ありそうであまりない。
日常生活の問題を考えると、人間関係や信仰生活の足下にあって支えてくれる大事な分野だ。
いっそ、FFJで、このK.コールさんだけでなく、幾人かの人に、生活管理、知的生産などの各人各様の持論とテクニックを披露してもらい、合本にして出版してほしい。
自称、手帳評論家の私としては、買います!
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書籍「牧師とその家族のメンタルケア」
2010.02.13 Saturday 23:00


  私は、牧会における実践的な、とりわけメンタルヘルスやカウンセリングに関する書籍や記事に、不満足を感じることが多かった。それらがピンポイントの経験則であったり、特定の立場による打ち上げ花火のような印象を持つことが多かったからだ。それでは、多くの牧会者や関係者が互いに論じ合い、積み重ねていけない苛立ちさえ感じることがあった。

 しかし、ここにきて、ようやく日本人の牧会者や神学者から、出張や提言が出始めてきた。昨年に出版された、賀来周一氏の『キリスト教カウンセリングの本質とその役割』(キリスト新聞社)は、多くの信仰に関連したカウンセリングの立場や実践を包括してくれる好著で、私は読みながら小躍りして喜んだ。
 
 そして本書も、最近の私の「小躍り」路線の一冊である。内容は、共著者の3人が、さながら独立したブックレットをそれぞれに著し、合本したような趣で、それぞれに個性が発揮され、味わい深い。1粒で3回味わえるお得感と濃さがあるとも言えよう。

 まず、「機)匯佞離瓮鵐織襯悒襯后廚任蓮∨匯佞筌船礇廛譽鷏亳海鮖つ窪寺俊之氏によって、牧師個人にとどまらず、かなり幅広く、総花的にメンタルヘルスの要因がとりあげられ、解決の方向性がを示される。限られた頁のなかで、霊的、心理的側面への端的な言及も重みがある。

 次に、「供)匯佞箸修硫搬欧悗離瓮鵐織襯吋△陵解、対策、ならびに援助システムについて」では、牧師である森田悦弘氏によって、やはり牧会現場でのメンタルヘルスの問題が臨床的に示される。A牧師とB牧師の会話形式で記述されているが、限られた頁のなかで、臨床的な事柄を広く深く、ありありと伝えることに成功している。

 最後に、「掘.瓮鵐織襯悒襯后,海海蹐良造噺き合うということ」では、精神科医である久保田拓志氏によって、うつ病、不安障害(神経症)、人格障害、心身症、統合失調症、認知症、発達障害など、実に広範囲に心の病について概説を試み、最後に牧師に対するメンタルヘルス上の提言を行っている。

 どの著者の章も、ブックレットのような独立した濃さを有し、かつ土台の部分を広く扱っている。今後、こうした論議や研鑽を深める際の土俵や見取り図になったり、前提知識を確認したりといった多様な、しかし礎となる役割を果たすことだろう。

 ただ、ブックレット合本風でなく、3人の著者が、十分な頁でもう少し掘り下げて書くことを好む読者もいるように思うが…。

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ブログ書籍「suchitooの独り言」(2009年版)
2010.02.11 Thursday 11:26


 以前にご紹介したブログ「suchitooの独り言」。

 僧侶の資格も持つ、松下氏の個人ブログである。
 タイとスピリチュアルな世界を中心に、体験を交えて報告・考察されているが、近年は、私の学校(聖学院大学大学院)関連の記事も加わり、さらなる親しみも感じている。

 記事は、個性と良識のバランスがうまくとれているし、松下氏の挑戦心と行動力のようなものや、頑固なオヤジ心(笑)のようなものが、うらやましさとともに印象に残っていく。

 今回のブログ書籍は、2009年の記事から集めた最新作である。
 なお、2004年から更新し続けてきたこのブログも、「しかしこのBLOGも終焉を迎えたいと思っています。」(2009年12月31日の記事)とのことだ。

 過去の私の記事→ ブログ書籍:「suchitooの独り言」 (12/29)
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紀要「説教 第10号」
2009.12.29 Tuesday 14:19
 


「紀要・説教 第10号」


 2009年に贈呈いただいた中で一番存在感があった本かもしれない。
「説教塾」は「紀要」まで出しているのかあ。
 ちなみに、「詩のことば・信仰のことば」の講演者、川中子義勝先生は、私が学生のころ、同じ教会で、「こんなに教養のある人がいるのか〜」とよく感心させられた先輩だった。やはりあのまますごい人だった。
 また、紀要編集委員の名前をみると、けっこう身近な方々の名前があった。説教塾は、全国はもちろん、すでに全教派的な広がりを見せているのだ。

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書籍「はじめてのカンセリング」
2009.12.29 Tuesday 12:26



はじめてのカウンセリング (キリスト教カウンセリング講座ブックレット)
佐藤 誠 (著), キリスト新聞社、1260円、2009年11月発刊

 私がここ最近、東神大の非常勤講師をするようになったのは、佐藤誠先生のお薦めがあったからだ。今でこそ、カウンセリング・ブームだが、そうでなかった時代から、心理臨床の第一線にたち、また大学院での臨床心理士養成にあたってきた佐藤先生は、貴重な存在だ。

 内容は、かなり網羅的で、教科書的で、佐藤先生の実務養成者、また講義者としての素材を披露したものであろうか。
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書籍「子育てと子どもの問題」
2009.12.29 Tuesday 12:02
JUGEMテーマ:読書
 

  

子育てと子どもの問題 (キリスト教カウンセリング講座ブックレット 16) 
村上 純子 (著)、 キリスト新聞社、1575円、2009年8年発刊

 本書は、前半と後半で、普通の子育てと、発達障害についてとに別れる。どちらも、著者の、クリスチャン臨床心理士らしい記述となっている。
著者の村上純子先生は、私もよく仕事でご一緒することがあるが、これからいろいろな分野で、臨床心理士として発言し、啓発していく先生である。多くの方が、この本で、村上ファンとしての第一歩を!

 本書から少し離れるが、このブックレットシリーズは、単行本形式で、カウンセリングのトピックスを扱っていくので、お茶を濁す感じでなく、真っ向勝負の良さがある。本書のように、カウンセリングの専門的な本として、本邦初というものが、数多く登場するのではないだろうか。
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書籍「自殺危機とそのケア」
2009.12.29 Tuesday 11:44
 

「自殺危機とそのケア (キリスト教カウンセリング講座ブックレット 13)」

斎藤 友紀雄 (著)、キリスト新聞社、1260円、2009年2月発刊

 キリスト教カウンセリングセンター(CCC)の責任編集のブックレットの創刊、の記念すべき第1回配本。全20巻というのもすごい。斎藤友紀雄先生、賀来周一先生という大巨匠とCCC。確かに反響はあるだろうが、このシリーズを出版するキリスト新聞社も「なかなかやる」。時期を同じくして、ユニーク季刊誌「ミニストリー」も創刊誌している。勢いを感じるなあ。

 
 本書のテーマは、これまで宗教書では倫理問題で登場してきたが、カウンセリング本としては快挙である。一般に、カウンセリングでは、価値観関に与しない。しかし、信仰者の場合、この自殺・自死の問題や、離婚の問題などでは、かなり慎重な判断を要求されるだろう。そういう意味で、この2つのテーマに関する、独立したキリスト教カウンセリング本が出ることを期待していたが、とうとうそのひとつが実現した。
 ちなみに、本書はカウンセリングの周辺についても、「自殺の思想・神学」から「教会での自殺者の葬儀」まで扱っている。

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藤掛 明
雨の心理的イメージを鍵に、雨の降る物語を読み解く。カウンセリング論であり、人生論でもある。
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