けんかつ版・映画レジュメ(09年)の連載終了
2009.12.23 Wednesday 10:33
 今秋に「けんかつ・オープンカレッジ」の中で開講した「映画に学ぶカウンセリング・マインド」で私が関わった回の配付資料を、短期集中でブログに掲載した。

 いちおう、一覧をつけておく。また次なる映画講座の講師に呼ばれたときには、またレジュメ・資料等を掲載したい。

 
けんかつ映画レジュメの連載にあたって (12/20)

(1)「忙しい生活」レジュメ (12/20)
(1)「スピード」 (12/20)

(2)「大切な人を喪う」レジュメ (12/20)
(2)「STARWARS掘淵轡垢良習)」 (12/20)

(3)「きょうだい」レジュメ (12/21)
(3)「エデンの東」 (12/21)
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(6)「ローズ家の戦争」
2009.12.23 Wednesday 10:20
 映画「ローズ家の戦争」(1989年、米) 主演 マイケル・ダグラス

 弁護士オリバー・ローズとその妻バーバラ・ローズとの、離婚劇をコミカルに描く。理想的な夫婦であった二人が、結婚17年目に離婚に向かってつき進む。

 夫婦関係の悪循環の姿が見事に描かれている。あまりにデフォルメされ、喜劇化されているので、笑いながら観ることができるが・・。

具体的な場面の説明
▼5:00〜8:30 二人の劇的な出会い。骨董品のオークション会場で、競い合いな           がら惹かれあう。
○解説
 男女のカップルは、相補性が働く。男は法学の奨学生。女は体操の奨学生。互いに自分にない要素に惹かれる。相補性が大きい(互いの差異が大きい)ほど劇的になる。

▼10:50〜14:00 幸せな家庭生活。クリスマス。新車の購入。幸せ優勢な日々。
○解説
 イベントや購入物など、あわただしい生産的な生活の中で、人は幸せ感を味わう。相補性もプラスに働く(例:強引な妻の新車購入)。必ずしも本質的な成長ではない。

▼20:50〜23:00 マイホーム購入
▼24:00〜23:00 妻が手料理で収入を得る体験
▼45:00〜50:30 妻から夫への告白。離婚へ。
○解説
 いったん、相補性のプラス循環が止まると、今度は悪循環が始まる。カップルの場合、通常女性のほうから循環が変わる。また、相補性が大きいほど悪循環の回転が激しくなる。

▼1:38〜1:51 夫婦喧嘩が、戦闘のように派手にエスカレートしていく。そして
           死に至るまで、死の間際でも、悪循環は止まらない。最後に、こ
           の夫婦と関わった弁護士の助言が続く。(本映画は、この弁護士 
           の回想という設定)
○解説
 カップルの悪循環の凄まじさ。それは止まらないどころか加速していく。本音では(少なくとも夫側では)和解を望む心もある。しかし止まらない。
 弁護士の助言は要するに、この悪循環からの脱出方法。一つ目、妻からの離婚要求があれば譲歩し、条件を飲め。→最初から完全に白旗をあげれば確かに悪循環は起こらない。二つ目は、青春を捧げた妻への、かつての愛のかけらを探せ。→これはさらに一歩踏み込んだ助言。悪循環を止めるのでなく、良い循環を動き始めること。

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(6)「夫婦関係」レジュメ
2009.12.23 Wednesday 10:19
 映画に学ぶカウンセリング・マインド 第8回
                    〜夫婦関係を考える

使用教材・・・「ローズ家の戦争」

はじめに <夫婦関係、親密な二者関係の問題化>
・カウンセリングでは、多くの問題の背景に、夫婦関係のあり方の影響を認めることがある。また、離婚の危機を主訴とした相談の需要も多い。しかし、変化を期待するのが難しい分野でもある。

1.夫婦カウンセリングの難しさ
 医療モデル(疾病)はあてはまらない。健康な二人の、病理的な関係性。
 複雑な要素〜\差、二人の生活歴、原家族、A衒篝、こ銅の中年期危機

2.等質性と相補性
 等質性の安心感、連帯感と、相補性の拡大感、冒険心。
 相補性がうまくいくと、補い合い豊かな関係。互いに尊重し、違いを受け入れ、統合、成熟していく。うまくいかないと、互いの非を非難。相手に変わることを求める。そうしないと自分が悪いことになるという感覚。どちらが正しいかという争い。
 河合隼雄氏の比喩〜大きな流れの速い川に、2つの杭とそれを結ぶ網がある。

3.2つのアプローチ
(1)個人心理カウンセリング〜個別面接が原則。
 個人の生育史まで深め、結婚について新しい意味づけに至る。選択肢も重要。
(2)カップルズカウンセリング〜夫婦同席が望ましい。
 原因でなく、現在の関係性に焦点。悪循環のパターンを解明。微変化を作る。

4.悪循環の本質
(1)相補性が大きいほど悪循環が強固になりやすい。尊敬と愛情の悪循環が最大の基盤。
    男性:尊敬してくれない→愛せない。女性:愛してくれない→尊敬できない。
(2)記憶の多義性、選択性。

5.悪循環から良い循環へ
 非難し、自己弁護をしない。良いストロークを相手に届ける。人によって違う。
 5つのストローク(G.チョップマン)〜(1)肯定的言葉、(2)クオリティ・タイム、(3)贈り物、(4)サービス行為、(5)身体的なタッチ
  2つの質問〜(1)例外探し、(2)もしの質問

6.映画「ローズ家の戦争」から
 理想的な夫婦の悪循環をコミカルに描く。悪循環。相補性。冒険心などのトピックスが。

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(5)「アナライズ・ユー」
2009.12.22 Tuesday 14:04
 「アナライズ・ユー」(2002年) ロバート・デニーロ主演

 カウンセラーが善意だけで関わろうとするといかに振り回され、援助関係を維持することが難しいか、そしてカウンセラーがくたくたにすり減ってしまうかを教えてくれる。
 元マフィア ボス(ポール)と、彼の更生にかける精神科医(ベン・ソボル)の喜劇。
 ポールは受刑中であったが、精神医療上の治療を受けるため、精神科医ベンの診療所に預けられることになる。ベンは、父をなくしたばかりで余裕がなかったが、持ち前の熱意で、ポールを更生させようと関わっていく。

▼具体的な場面の解説
*第一場面
チャプター9(君はだれ)〜  (24分〜 )
 ポールは、ベンの自宅にきて、周囲を振り回す。翌日、すかさずベンはポールにカウンセリングを始める。
 ○解説 クライエントは悪意があろうとなかろうと、周囲を振り回すことがおきる。結    果的に、援助者を巻き込んでしまう。こうしたことを防ぎ、カウンセリングに集    中することができるよう、援助のための約束事(治療契約)をとりかわすことが    大切。職業カウンセラーのように厳密な治療契約は無理でも、そうしたことを意    識することは有益である。
 ポールは、慣れない堅気の仕事で失敗を続ける。そして、熱心に取り組んだのに、かえって状況は悪化し、最後には、ベンに向かって、「あんたのせいだぞ」と非難する。それを受けたベンは、さすがに怒り心頭で「冗談じゃない!自分勝手もいい加減にしろ」と激怒する。
 ○解説 カウンセリングがなかなか進展しないとき、それまでカウンセラーを信頼して    いたクライエントが、一転カウンセラーを非難してくることはままある。カウン    セラーが怒りの感情を持つときは、自己点検が必要となる。

*第二場面
チャプター22(仲間に加わる)〜 (1時間11分〜)
  ベンはポールの犯罪に加担することになってしまう。しかし、偶然にも互いに洞察を深める(父親の呪縛から解かれる)。
 ○解説 カウンセリングがうまくいかないと、すぐに中断する(クライエントが来なく    なる)。逆にのめり込みすぎると、一気に巻き込まれる。巻き込まれてしまうと、    カウンセリング関係は成立せず、ただの同情や応援になる。
    映画では、唐突ながらも二人の自己洞察が図られ、ともに成長する。ベンは、生    来の洞察型ながらも、行動に出るようになり、ポールは生来の行動型ながら、洞    察も見せることが出来た(5分間瞑想したり)。しかし、最後の展開は、うまく    自己直面化が促されたが、厳密にいうと、カウンセリング関係ではなく、カウン    セラーの「共感」でもない。「同病相憐れむ」的な同情関係に陥っている。

 

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(5)「カウンセラーの役割」レジュメ
2009.12.22 Tuesday 14:03
 映画に学ぶカウンセリング・マインド 第7回
                    〜カウンセラーの役割を考える

▼使用教材・・「アナライズ・ユー」

はじめに <カウンセラーの役割>
 ・カウンセリングは、カウンセラーがクライエントの話をよく聴き、共感していればうまくいくというものではない。いろいろな落とし穴に陥らないように、カウンセラーが自覚すべき、原則や自己点検のツボを考えたい。

1.映画「アナライズ・ユー」(2002年)
 カウンセラーが善意だけで関わろうとするといかに振り回され、援助関係を維持することが難しいか、そしてカウンセラーがくたくたにすり減ってしまうかを教えてくれる。  元マフィアボス、ポール(ロバート・デニーロ)と、彼の更生にかける精神科医ベンの喜劇。振り回された結果、ベンはポールの犯罪に加担することになってしまう。しかし、偶然にも互いに洞察を深める(父親の呪縛から解かれる)ことで、映画はハッピーエンドへ向かう。
 
2.治療契約
 カウンセリングでは、どんな学派であろうと、場所、時間、料金の取り決めをあらかじめ行い、またカウンセリングの目標などについてもあらかじめ合意しあい、契約を結ぶ。これが治療契約である。こうすることで、クライエントが、安心して身を置ける特別な場を確保することが可能となる。そして、クライエントがそうした場に向けて気持ちを整え、独特の集中力を身に付けることもできるようになる。一方で、クライエントがカウンセラーを巻き込み、操作することを防ぎ、カウンセラーの精神衛生を守ることにも影響する。

3.援助者が引き起こされる感情体験
 カウンセリングの過程で、カウンセラーは、様々な感情を引き起こされる。 ̄臀者としての無力感、怒りの感情は、多くのカウンセラーが体験する感情である。こうした感情は、「的外れ」なものであり、カウンセラーはそのような感情に自分が振り回されないよう自己点検(適切な距離をとれているか)をする必要がある。具体的には、 ̄臀者役割をとろうとしているか。援助動機の源泉は何か。などの自問自答は有益である。

4.もう一つの注意点:先入観で見過ぎない。映画「フライトプラン」
 カウンセリングを勉強すると、その知識を過度に使いすぎて見誤ることがある。
 飛行機という密室で繰り広げられるサスペンス。事故(本当は殺害)死した夫の亡骸を載せた飛行機に、ヒロイン(ジョディ・フォスター)が娘と乗り込むが、娘が突然姿を消してしまう。娘を捜し出そうと荒れ狂うヒロインに対して、娘は記録上、搭乗しておらず、夫と一緒に死亡したとの連絡が入る。乗り合わせたセラピストが、悲嘆による錯乱状態と見立てた上で、グリーフカウンセリングを行う場面がある。カウンセラーへの皮肉!

5.カウンセラーの真骨頂
 映画「普通の人々」(1980年)。
 事故死で兄がなくなり、弟だけが助かる。それ以降、自殺未遂、悪夢などで苦しむ弟の自己再生物語。カウンセラー(精神科医)が、.ライエントの抵抗に動じず、感情を問題にし、B亰茲鬚靴討い姿はお見事。

 

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(4)「マディソン郡の橋」
2009.12.21 Monday 18:57

 映画「マディソン郡の橋」(米・1995) クリント・イーストウッド、メリル・ストリープ

 たった4日間の恋を描いた中年男女の物語。ただし、この作品にはただの恋愛を描いただけではない魅力がある。それは人生の中年期の生き方を濃密に描写した点だ。中年期に人は「もう一人の自分」と出会う。このように、この作品を味わい直すことができるなら、新しい世界が見えてくる。

 89年アイオワ州マディソン郡。フランチェスカの葬儀を出すために集まった息子、娘が、二人に母からあてた手紙と日記を見ることから物語は始まる。そこには母の4日間の恋がつづられていた。

▽具体的な場面の解説
▲0分〜11分
葬儀を出すために集まった子供たちが母の秘められた恋を知り、当惑する。
○解説 心の深い物語はたとえそれが同居の親子であっても見えない。しかし、人は語らなければ物語を保てない。ヒロインのフランチェスカは知人ルーシーにだけ告白していた。
また、手紙と日記を通して未来の子供たちにも語った。

▲16分〜25分
 60年代のアイオワ郡。家族が州祭に4日間でかけ、主婦のフランチェスカは留守番。カメラマン(キンケイド)が偶然、撮影場所(橋)を尋ねてきたので、案内することになる。
▲43分〜58分
 フランチェスカとキンケイドの会話。二人の生き方の好対照が示される。そして彼女は徐々に自分の恋を半ば自覚し、積極性が出てくる。
○解説
 主人公フランチェスカは片田舎の農家の良妻賢母の主婦。4人家族で平和な日々を過ごしていた。突然の出来事(4日間の留守番。カメラマンの訪問)から中年期の物語は突然動き出す。「橋」は二つの世界を結ぶもの。世界を旅する芸術家と農家の主婦(正反対の世界・価値観)が対比されるが、キンケイドは実はフランチェスカが捨て去り、押さえてきたもう一人の自分でもあった。(彼女にも教師で、詩を愛する面があった)彼女は彼に惹かれていく。

▲1:43〜1:50 今回の恋を思い出にして、それを支えに生きていくと言う。
▲1:52〜1:56 雨に中、キンケイドにあうことを断念するフランチェスカ。

○解説
 「これが私と思っていた女はどこかに消えて私は別人となり、でも真の自分を見いだしていた」(内なる異性、全体性の回復)家族が帰る日に離別。カメラマンの誘いがあったが踏みとどまる。(崇拝か尊重、統合)。

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(4)「人生の後半戦」レジュメ
2009.12.21 Monday 18:56
 映画に学ぶカウンセリング・マインド 第4回
                    〜人生の後半戦を考える

▼使用教材・・「マディソン郡の橋」「Shall We ダンス?」

はじめに <中年期の課題>
 ・人は、中年期に人生の後半戦の生き方を受け入れることが課題となる。カウンセリングでも中年期危機は

1 人生の後半戦というテーマ
 |翡期が人生最大の危機である。思春期よりも長期間にわたりじっくりとであるが。
 ⊃誉犬料鞍彰と後半期の分岐点が中年期である。この分岐点を通過する際に、質的転換を経験させられる。
 C翡期の本質は、死と老化を受け入れる生き方であり、無神論者でも自分のたましいの救いを考える時期である。逆に宗教者であっても危機となる。山をも動かす「なせばなる」の信仰だけでは通用しなくなる。
 た誉犬料鞍彰で、個人の努力や熱意を重視してきた人は、後半戦は不利になる。
 ァ屬Δ帖廚鬚呂犬瓩箸垢詆袖ぁ異性問題や金銭トラブル、対人トラブルといった問題などは、その背景に中年期危機があることが多い。
 γ翡期の問題を問い直すトピックス。
 (ア)老親との同居の問題、(イ)転職、(ウ)子の問題化、
 黙想、友情、創造的な趣味・遊びは、後半戦に不可欠な要素であり、価値観の点検や修正としての意味を持つ。

2 映画「マディソン郡の橋」
 ・主人公(農家の主婦)フランチェスカは、家族の留守番中、見知らぬカメラマン、キンケイドから撮影場所を尋ねられたことから案内することになる。中年期の物語は、日常の些細なきっかけで始まる。「橋」は、こちら側の世界と向こう側の世界を結ぶものの象徴。中年期に入ることもまさに、人生の前半期と後半期を結ぶ「橋」を通過すること。
 ・不倫文学と揶揄される場合があるが、実は中年期の深い心の物語。映画では、良妻賢母の農家の主婦と、世界を旅する芸術家(正反対の世界・価値観)が対比される。実は、キンケイドはフランチェスカが捨て去り、押さえてきたもう一人の自分でもあった。彼女は彼に惹かれながら、もう一人の自分と出会い、全体性を回復していく。
 ・もう一人の自分を崇拝するか、無視するか、尊重(統合)するか。
 ・もう一人の自分は、一般に他者(特に異性)に投影され、中年の破壊的な恋にも。

3 映画「Shall Weダンス?」
 ・フランチェスカは崇拝の入り口ぎりぎりまで行ってから引き返した。多くの場合は、無視する。また崇拝に向かうことなく、尊重し統合へと向かう。
 ・中年期危機をあつかったがゆえの世界的名作。

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(3)「エデンの東」
2009.12.21 Monday 18:55
映画「エデンの東」(米、1954) 

 当時無名のジェームス・ディーンを一躍スターにした作品。多感な青年の、家族に対する反抗物語を<兄弟関係の葛藤>を軸として描ききっている。
 1917年、アメリカ・カルフォルニア州の小都市サリナスが舞台。ここで農業を営むアダム(父)には、二人の息子がいた。兄アーロンは、真面目で心優しい性格から父にかわいがられ、一方、弟キャル(ジェームス・ディーン)は、気難しく反抗的で、父にうとまれていた。兄には美しい恋人エイブラがいるのだが、彼女は孤立するキャルを気にかける。

具体的場面
▲チャプター4,5
弟キャルが朝帰りをする。幸せそうな兄とその恋人が登場する。父は、弟を嫌い、兄をすいていることが露骨に表現される。弟キャルは心を開けず、時に粗野な反抗に。
○解説:典型的な第1子、第2子の対立関係が描かれている。親の承認を得ようと二人の息子は、異なった方法でアプローチをするが、この作品では兄の一人勝ち。
▲チャプター12−14
父が事業に失敗し、大損したことから、弟キャルは父を喜ばせようと、折からの戦争景気を見込んで、大豆の先物取引を始めようとする。彼は、大金である取引の事業資金を、父と離婚し隣町でいかがわしい酒場を経営している実母から借りることにし、事業も見事に成功させる。(父は実母のことを隠し、二人の息子には死別と説明していたが、弟キャルだけが、実母のことをひょんなことから知ってしまっていた。)
○解説:徐々に、父−兄、母−弟という連合関係が見えてくる。また弟キャルにとっては、母=悪人(父の価値観)で、自分はその血を引いていると考え、苦しむ。しかし、視聴者には、父の生き方、母の生き方を善悪で二分できないことがわかってくる。
▲チャプター22,23
 父の誕生日。二人の息子はプレゼントを用意する。兄からは婚約の報告。弟からは先物取引で得た大金。堅物の父は、兄の報告を手放しで喜ぶが、弟には戦争で儲けた金など受け取れないと拒絶する。弟は絶望し、混乱したまま、兄との口論をきっかけに、兄を実母のもとに連れて行き、会わせてしまう。
▲チャプター26−29
 兄は、実母のことを知り、絶望し、やけになって兵役を志願し、町を出ていく。そのことでショックを受けた父は、脳卒中の発作で倒れてしまう。父は病床でも、弟キャルをうとんじていたが、やがて弟キャルやエイブラ(兄の婚約者)の思いが通じて、弟と心を通わせる。父がキャルに看病してほしいと言って、映画は終わる。
○解説:兄弟は正反対の方向に進んでいくが、劣勢の方が逆転ホームランを狙って、過激に出やすい。それが一見うまくいっても、家族は傷ついたり、分裂を深めたりする。エイブラが最後の悲劇を救う。(彼女だけが善悪双方が自分にあることを自覚している人物として描かれている。彼女を中心にこの作品を分析することもできる。)
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(3)「きょうだい」レジュメ
2009.12.21 Monday 18:54
 映画に学ぶカウンセリング・マインド 第3回
                    〜きょうだい関係を考える

▼使用教材・・・「エデンの東」「イン・ハー・シューズ」

はじめに <きょうだい出生順位>
 ・カウンセリングでは、家族関係について尋問のような質問はしない。そういう中で、「きょうだい出生順位」は容易に知ることが出来る。そこから家族の雰囲気も、その人の基本的な競争スタイルも受け止める得る。

1.きょうだい関係
(1)家族の中のきょうだい
 親子関係以上にきょうだい関係がその人の生き方に影響を及ぼすことがある。きょうだい〜競争を学ぶ環境。
  親は大人は意識的、無意識的に競争をあおる。→子はそれに応えようとする。→その  結果、子はきょうだいの中で別の子が優れている分野には積極的に参加したがらなく  なる。そこで負けると両親の承認を失うと感じるから。→きょうだいは活動分野、特  徴を分担する。例:カインとアベル。
(2)出生順位
 競争関係を理解するうえで出生順位は重要。単なる生物学的順位でなく、心理的な位置が重要。運命論ではなく、可能性の問題。欠点にみえる特徴も成熟すれば長所。
 ^貎佑短辧Э討留洞舛鮗けやすい。孤独に弱い。対人関係が下手。自信がない。わがままになる ことも。逆に責任感、使命感に優れる。
 長子:必ず王座を喪失する。高い目標を立てる。責任感、リーダーシップがある。
 C羇峪辧Ъ立的。現実的。ときに攻撃的な人も。社交的。
 ぁ併温諭紡茖音辧第1子と正反対になりやすい。競合的。
 ニっ子:王座のまま。対人技術が上手。戦略あり。
  ただし、出生順位は一つのヒント、可能性の問題であって、運命ではない。また心理的な出生順位が大切。たとえば、年の離れた末っ子は心理的には一人っ子であったりする。

2.エデンの東(米、1954)
 父の愛情を勝ち取るための双子の兄弟の闘争物語。互いの善意も空回りし、悪循環が進んでいく。第1子と第2子の対比も鮮やかに描き、親の承認を獲得するための競争物語となっている。兄の恋人が最後の悲劇を救う。

3.イン・ハー・シューズ(米、2006)
 対照的な姉妹の物語。ともに、相手を嫌いながらも、影響し合い、最後は成熟した姉妹関係を築いていく。遊び人妹が事業に進出する。弁護士の姉がスニーカーで肉体仕事を体験する。それまでの自分の生き方とは違う生き方を尊重・統合していく姿が見事に描かれている。

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(2)「大切な人を喪う」レジュメ
2009.12.20 Sunday 17:19
 映画に学ぶカウンセリング・マインド 第2回
                    〜大切な人を喪う悲しみを考える

▼使用教材・・「スターウォーズ3」「いま会いにゆきます」

はじめに <喪失体験>
 ・カウンセリングは、今現在の問題だけでなく、過去の体験をも視野に入れる。そのな  かでも、様々な喪失体験(別れによる悲しみ)に敏感になる必要がある。

1.映画「STARWARS掘淵轡垢良習)」(米、2005) 
 主人公アナキンは、ジュダイと呼ばれる騎士となり、銀河共和国のために戦い、奮闘する。彼は実力もあり、将来を嘱望されるが、一転悪の勢力に寝返り、転落していく。
  アナキンの転落物語を目先のエピソードだけで辿っていくと、なぜ転落したのか理解しにくい。しかし、その基底には母との死別体験のダメージがある。彼は忙しい戦いの日々のなか、母の死別体験をきちんと受け止めることができなかったことが、彼のその後の不安(妻が殺害されるのではないかという)に拍車をかけ、大きな伏線となっている。
 死別体験にまつわる処理がうまくいかないといろいろな影響がある。不合理に他人に怒りを向けたり、自責の念にかられたり、あるいは感情表現をしなくなったり…。

2.グリーフケアとは
 人は大切な人を喪うと大きな悲しみを経験する(悲嘆)。死別が最大の悲嘆である。ただし、地位や健康を喪うことも悲嘆に含めることが多い。
 悲嘆を経験した人は、長期にわたり悲嘆のプロセスを必ず体験していく。ショックを受けたり、嘆き悲しんだりすることは初期の正常な悲嘆のプロセスである。
 グリーフケアとは、正常な悲嘆のプロセスを歩めるようケアすることである。
(1)プロセスの諸相〜 .轡腑奪の段階(感覚の麻痺、食欲不振、不眠)、怒りの段階(悲しみ、怒り、罪責感、責任転嫁)、M泙Δ弔涼奮(絶望感、深い抑うつ、希死念慮)、のち直りの段階(現実的、新しい希望)
(2)有利・不利〜 喪った人により、喪うまでの時間により、喪う理由により

3.映画「いま、会いにゆきます」(日、2004)
  母親と病死別し、残された父子。ある年の梅雨の間、その死んだはずの母親と再会する物語。そこには、きちんと別れる体験をしなおす心の物語が比喩的に語られている。新たな振り返りもある。その結果、父子は現実的な生き方を身につけていく。

4.グリーフケアの工夫
 記念日、記念品。様々な儀式の威力。納骨式や一周忌といった儀式も、きわめて私的なイベントも同様。まず振り返ることが肝心。周囲に気持ちを聞いてもらう。書くことも意味がある。グリーフケアでも自助グループは効果がある。
 映画では、父は一生懸命書いた。また子の誕生日に、母は毎年ケーキを贈って祝った。

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