講演録「牧師のストレスとセクハラ問題」(1)
2008.04.12 Saturday 22:06
■自己紹介・福音派としてのショック
藤掛:藤掛と申します。はじめに、自己紹介をさせていただきます。私は中学生のときに信仰を持ちまして、福音派の信仰で育てられてきました。
メモ
長い間、私の中では、福音派がダントツに素晴らしい世界で、ちょっと下の方に主流派や、カソリックがいるのではないかという思いを抱いていました。
その後、社会人になり、そうした思いが崩れてきました。今、私がいる職場はクリスチャンが多く、それも主流派と呼ばれる人たちが大半なのですが、実際そういう方々とご一緒すると、福音派以外の方々もこんなにエバンジェリカルな生き方をしているのだという発見もありましたし、それ以上になによりもメンタルヘルスについての理解やシステムが、ほかはこんなに進んでいるのかと驚いたからです。
たとえば、私が家族療法のトレーニングを受けたときに、その中にカソリックのシスターがたくさんいました。彼女らは、カウンセラーとして献身していて、バリバリのプロのカウンセラーとして、相談室とかをやっているんですね。色々な運営されているプログラムを聞くと、静まりを中心とした自己との対話を促すようなものがあったり、カソリックってすごいなと思いました。
一方で、主流派の方々に会うと、やっぱりすごいなと思いました。主流派の多くの神学校では、臨床牧会教育という、カウンセリングの実地トレーニングをしていますね。で、福音派は、そうしたプログラムを持たず、個人の努力でガンバレといった感じです。こんなに違うのかと、私の中ではショックがありました。
また、私は世俗の心理カウンセラーですが、お声をかけていただければ教会のためにも活動したいという思いを持っていましたので、30歳すぎくらいからは、教会向けのプログラムに講師などで参加し始めました。研究会、研修会、原稿、神学校など、どれもこれも主流派からのお誘いでした。福音派からは本当にお誘いいただけませんでした(笑い)。カウンセリングに関するプログラムやそのための人材確保の感覚が福音派はおそろしく遅れているのだと思います。

■自己紹介・犯罪臨床家としての経験
二つ目の自己紹介ですが、私は、国の心理職としてカウンセリングの訓練を受けました。少年鑑別所が中心でしたが、犯罪、非行を犯したいろいろな人との面接をする経験を積むことができました。普通、クリスチャンとして教会関連の心理学的な知見を学ぼうとすれば、欧米の神学大学などで牧会心理学などの勉強をするのでしょうが、しかしそうではなく、神様が計画をもって、あえてカウンセリングとしてはある意味特殊な分野である犯罪・非行の分野に、それも実務家として私を導いてくださったのではないかと思い始めているところです。
そして、驚く方もいると思いますが、熱心なキリスト教信仰を表明しながらも、そして価値観としては非常に健全なものを持ちながらも、犯罪や非行を犯し、逮捕され、矯正施設に収容される人たちがいるんですね。ある心理職の上司は、キリスト教に大変親和的な方でしたが、「猟奇事件の陰に、キリスト教あり」とよくおっしゃっていました。そうした方々との面接を経験する中で、私は、信仰者としての成長や成熟には、霊的・宗教的な面からだけでなく、心理的な面からのアプローチが必要なことがあるのだという教訓を学びました。また、ある信仰者が犯罪を犯したとき、単純に二元論で割り切り、最初からあの人は偽クリスチャンで、本当のクリスチャンとは別物なのだという説明では済ませられないことが多々あることを知りました。
そういうこともありまして、今日お話しすることは、私の非行・犯罪カウンセリングでの経験を重ねあわせながら話させていただくことになると思います。そしてそれが今日の話しの最大の独自性になっているのだと思います。

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2020.02.17 Monday 22:06
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Comment
2008/04/14 12:44 AM posted by: ふじかけ
花鳥風月さん。

5つ星。いただきま〜す。


くぼきさん。

コメントありがとうございます。
なるべく4月以内にすべて掲載したいと思っていますが、
おつきあいください。

2008/04/13 6:48 PM posted by: くぼき
興味深い内容ですね。
霊的、宗教的に熱心で、成熟しているように見えて、心理的には幼児体質を抱えている、ということはあるのでしょうね。
ひとつ裏を返すと、非常な依存体質が宗教的な熱心さにつなり、成熟しているように見えて、実のところ極めて幼稚であるということはあるのだろうと思います。
またこういうところの考察、分析こそが、キリスト者の成熟を考えていくときに、極めて重要なことになるのだろうと思います。
2008/04/13 5:23 PM posted by: 花鳥風月
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