(6)事例カンファレンス型
2006.12.05 Tuesday 01:37

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 (6)事例カンファレンス型

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 複数の専門家の協議というのは迫力がある。また文章言葉にはない余韻やニュアンスも伝わってきて、感じるところ大である。ところがそうした逐語づくりの書籍となるとぐっと少なくなるが、いずれも力作である。

▼「非行少年の事例研究」   (吾妻洋編、誠信書房、1973)
吾妻洋氏が若手の家裁調査官たちとの文献購読会を指導し、いつしか非行事例の検討もするようになった。その際の協議を逐語録風にした書籍である。もっとも事例は5つしかなく、生活史と非行と心理テストをかなり詳細に扱っている。TATの解釈などは図版ごとに行っている。事例検討に先立ち、理論編として、「生活史研究の要点」「非行研究の要点」という2つの章が設けられている。

▼「非行と家族療法」   (団士郎ら共著、ミネルヴァ書房、1993)
 当時京都府下の児相関係者5人が実際の5つの相談事例を面接の逐語を織り交ぜながら紹介し、各事例の最後には「ディスカッション」として、5人の著者らの事例協議がやはり逐語風に掲載されている。内容は家族療法をベースに「児相で扱う非行事例」に取り組んだもので、一般の人が読んでも、専門家が読んでも面白い。臨床実感に満ちている。たとえば非行事例の終結について、登校拒否と比較し、登校拒否は「静」であり、再登校など「動」に至るプロセスをたどるが、非行の場合は、極めて「動」であり、問題解決に至ったとき「静」に転じるという指摘がある(204頁)。著者らが児相というフィールドで、「静」的な問題行動と「動」的な問題行動の双方に取り組んできたからこそできるなかなか鮮やかな対比だと思う。



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