1章2話「二つの反応と問題」
2009.01.05 Monday 18:26

 1章2話「二つの反応と問題」

 実は、「甘え・へたり込み」型の人への援助は、素朴に心配してあげ、サービスをしてあげ、日常的で常識的な善意を相手に伝えることで、一定の効果をあげることができる。少し問題がこじれてしまったら、本人の自立の姿勢を尊重し、極力見守り、励ましていくのがよい。

 しかし、「背伸び・強行突破」型の人には、援助をしようとする人が見立てや見通しのないままにかかわると、かえって事態が悪化していく。「背伸び・強行突破」型の人は、こじれていくと、他罰的で攻撃的な面を出してくるので、周囲も精神的に大きなダメージを受けかねない。深刻な場合には、ここから出てはいけないと限界設定を行い、本人が抱える問題に直面できるよう「対決」していくことになる。そして地に足のついた生き方ができるように方向付けていくのである。

 精神病理的にみると、「甘え・へたり込み」型が高じ、極端になっていくと非常に内向的で、非社会的な方向で問題が生じやすくなる。「よくうつ状態」「ひきこもり」「神経症状などの心の病」といた状態も、単純化すればこうした延長上に位置づけられることがあると思う。
 逆に「背伸び・強行突破」型が高じ、その息切れが始まると、行動的で、反社会的な方向に問題が生じやすくなる。「トラブルメーカー」「パワーゲーム」「問題行動」「犯罪」「依存症」なども、単純化すればこうした延長上にあるものと思う。

 まさか私はそこまではいかない。まさかあの人はそんなはずがない。

 そう、思うかもしれないが、こうした問題は連続している。たとえ「まさか」と思っても、大きな問題につながる連続した線上に私たちは立っているのである。「まさか」のなかにある「でも」の部分をきちんと見なければならない。

 そして、この「甘え」と「背伸び」の見立ては、対応方法が正反対といっていいほど異なってくる。
 自分自身の課題を考えるうえでも、甘えを克服し、自律した積極行動に出れるようになることなのか、背伸びの息切れを認め、地に足のついた堅実な行動をとれるようになることなのか。そのあたりを見極める智恵が必要である。この見極めを間違えると、かなり混乱していくことになる。
 また、気になるあの人を援助・指導する際にも、へたり込み状態にあることを察し、見守ってあげるべきなのか、あるいは暴走させないように、明確な枠組みと目標に方向付けてあげるべきなのか。これもかなり違ってくる。ここはじっくりと考えたいところである。

 

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