1章3話「後悔するが、悩まない」
2009.01.05 Monday 18:27

 1章3話「後悔するが、悩まない」

 この節では、「背伸び・強行突破」型の人が身につけている「後悔するが、悩まない」という思考パターンを考えてみたい。

 私は心理カウンセラーとして、「背伸びの息切れ」の果てに問題を抱えるに至った人との面接をよく経験する。
 人間関係がうまくいかずトラブルを抱える人。異性問題や金銭問題で歪んだパターンのある人。ギャンブルやアルコールなどで生活を大きく崩している人。犯罪に至った人、などなど。

 こうした人たちは、共通して「後悔するが悩まない」生き方を続けている。いったん問題が表面化し、にっちもさっちもいかなくなると、ほどなく観念する。そして、我が身を振り返りながら後悔する。これまでのことを悔やみ、もうしない、もう平気なのだと決意するのである。それは嘘や演技でなく、本気でそう考えている。しかし、悩んではいない。
 そういう人は、あのときのあの行動がいけなかったのだと言ったり、その時の自分がどうかしていたのだと言ったりする。あるいは当時の状況が悪かった。運がなかった。いやいや実はこういう意味もあったのだとか、あの人が悪かったのだ、などとも言う。要するに、本来の自分は有能であり、正しく、しっかりとしていることを確認した上で、あの時のあの状況がなければ、こんなことになっていないのだと言い訳をしている姿なのである。

 あるギャンブル依存の方は、百万円単位の借金をギャンブルで作りながら、「たまたま妻がギャンブル嫌いなので、問題になってしまった」と真顔で、我が身の不運さを嘆いていた。ある犯罪に関わってしまった方は、「自分は意志が弱かったので、あんなことをしてしまった。でも意志が弱いのはあのときだけで、本当の自分は意志は強いので、これからは平気です」と意気揚々に言われた。
 この2人に見るように、背伸び・強行突破の息切れ状態に足をすくわれると、自分の本当のあり方を顧みることができなくなる。「背伸び・強行突破」とは、それほど自分の弱さを認められない生き方なのである。

 背伸び・強行突破の典型であった使徒パウロは「わたしが弱いときにこそ強い」(第2コリント12:10)と告白している。彼は信仰により、自分の弱さを受け入れ、真に悩むことのできた人物だと言える。そして、自分が失敗したとき、行き詰まったとき、その原因を自分にあると考えることのできる人は真に強い人だと言える。


 

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