1章4話「再出発の決意がバラ色?」
2009.01.05 Monday 18:28

 1章4話「再出発の決意がバラ色?」

 「背伸び・強行突破」型の人が失敗の後、どうするのであろうか。ここではそのことを考えてみたい。

 私は仕事をしているとき、野球の3割打者をイメージするようにしている。すべての打席で会心のヒットは打てない。ただ、ここぞというときにはヒットを打つ。そう思わないと、ついつい打率10割を目指してしまい、かえって打撃フォームを崩してしまう。また、別のときには、8勝7敗をイメージする。一つだけでも多く勝てば良いと自分に言い聞かせるのである。これもまた連戦連勝の幻想に振り回されない工夫である。

 さて、こうした教訓は、たぶんに「背伸び・強行突破」型の人の心理カウンセリングをしてきたことから学んできたことである。なぜなら彼らは、常に10割、全勝を真剣に目指している。凡打がひとつでもあると絶望し、ついつい一か八かの玉砕型の勝負に出てしまうのである。

 カウンセラーの経験からいうと、「背伸び・強行突破」型の人が何か失敗をしたときに、今後のことについて、景気の良い、バラ色の再出発を語りすぎると、その後が危ない。バラ色度合いが高ければ高いほど、すぐに次の挫折がやってくる。逆に、地道な再出発を語る人は、安定した再出発をしていくことが多い。実に鮮やかな対比である。

 ここには何が起きているのであろう。

 実は強力な悪循環が作られている。ある人が「背伸び・強行突破」の生き方をしていて、壁や限界が来る。そこで本人は息切れ状態に陥っているのだが、本人は自覚しない。本当はこれを機に、目標を下げたり、人に弱音を吐いて援助を請うたり、休養したりすることも手としてはあるのだが、本人は思いもしない。ひたすら、自分の頑張りが足りないからうまくいかないだけであって、この事態を打開するためには、従来以上にもっと頑張って、強行突破しなければいけないと思う。そこで、背伸び・強行突破の姿勢をさらに強いものとする。すると、ますます息切れ状態は深刻になる。すると、強行突破の背伸びもますます強いものになる。そしてそれは、ますます「ますます息切れ状態」になって、さらにますます「ますます背伸び・強行突破」になってく。こうして雪ダルマ式に息切れの悪循環は深刻化していく。自分の息切れ状態を認められないと、この悪循環は止まらないのである。そして悪循環が深まるたびに、すなわち現実の息切れ度合いが深刻になるために、自分をムチ打とうとして、頑張るための高い目標を持ち出すのである。

 私たちも、再出発の決意がバラ色にすぎるとき、自分の背伸び・強行突破の息切れ度を自己点検する必要がある。

 

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