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どんどん泣こう
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2009.06.16 Tuesday 00:17
「恵みのとき・病気になったら」(晴佐久昌英著、サンマーク出版)
今回、ある方から贈って頂いたのであるが、一読してこの詩の持つ力に魅了された。
カトリック司祭が自分の入院を契機に書いた詩に、画家が絵を添えたもの。
「病気になったらどんどん泣こう」というフレーズで始まる不思議な魅力のある一編の長い詩。
著者は、詩のなかで、「またとないチャンスをもらったのだ / じぶんの弱さをそのまま受け入れるチャンスを」ともうたう。
病気には、励まし(必ず治るよ)や肯定的指摘(〜で良かったじゃない)がつきものだ。
しかし、それが早い段階でありすぎると、弱音を吐きにくくなる。
本当に治るのだろうか、という不安な思いは、「必ず治るよ」という励ましの後には語りにくく、本当に早期発見だったのだろうかというウジウジした思いは、早期発見で良かったじゃない、という思いやりのある指摘の後には、吐けないものだ。
そして、不安な思いや、ウジウジした思いは、それを反芻することで、自分の無力感の受容につながるはずなのである。自分の人生が必ずしも特別扱いされるとは限らないことや、いろいろな将来の希望が数ヶ月後、数年後には塵芥世のように消えてしまうかもしれないことなど、ヘビーな無力感を味わうための準備なのだと思う。
そして本当にヘビーな無力感を味わった後で、「でも、しかし」、それでも希望を抱くのだとか、「たとえ病気が治らないとしても」、それでも今与えられた課題を大事にしていくのだとか、そういう楽観主義が尊いと思う。同じようなことでも、最初からひたすらうまくいくはず、必ず治るはずだから、と考えていくのは、相当に無理のある生き方だとも思う。
そんなことを後からじわじわと考えさせられる詩集であった。詩集自体はシンプルで、明快で力のあるフレーズが続くのであるが。 -
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2009/06/16 9:54 PM posted by: Rushuriのプラン私がブログを始める前から時間がある時に覘いていたものには、三つありました。一つは私のブログを立ち上げてくださったきりなさんのブログ。もう一つは6月13日に紹介した水谷潔師のブログ。最後は、臨床心理士でクリスチャンのふじかけ先生のブログです。ふじかけ先生