牧会カウンセリング VS キリスト教カウンセリング(2)
2009.12.19 Saturday 09:29

 多くのことを欧米のキリスト教界から影響を受け、取り入れてきた日本のキリスト教界であるが、牧会カウンセリングにおいては、なかなかそうはいかなかった。

  そもそも日本には専門的な「カウンセリング」、職業としての「カウンセラー」を受け入れた歴史が浅い。定義の(2)などは、まねしたくてもまねしようがなかったといえる。
 (ちなみに、臨床心理士制度スタートしたのは、1988年。しかし、いまだ国家資格には至らず。)

 牧師以外の人材で、牧会カウンセリングについて影響を与えた専門家は、日本では医師であった。
 赤星進、平山正実、柏木哲夫、工藤信夫ら諸先生は、教界むけの発言を行っているが、世俗の職業生活のなかで、信仰者としての問題意識、経験知を発信したものであった。

 2.「キリスト教カウンセリング」という言葉の台頭
 
 ここにきて、主体が牧師の場合を「牧会カウンセリング」、主体が一般信徒の場合を「キリスト教カウンセリング」と使い分けることが定着しつつある。また前者は、教会内の活動であるのに対して、後者は教会の内外の活動をさすことも特徴である。

 このような言葉の使い分けには、背景がある。
 それは、一般社会で、カウンセリングが普及し、市民向けのカウンセリング学習の講座などが開かれ、そこで一般信徒も学習し、地域のボランティア活動などに参加し始めたことが大きく影響したことだ。すなわち、信仰者としてのスタンスを持ちながら、一般のカウンセリングを学習し、活動しているアマチュアないしセミプロの職能集団が形成されつつあるということだ。
 その象徴であるのは、キリスト教カウンセリングセンター(CCC)であり、そこで主催する研修プログラムであろう。

 3.「キリスト教カウンセリング」と教会の職務

  マタイ9:35。そこに「宣べ伝え」、「教え」、「いやす」と、3つがイエスのわざ(活動)に組み込まれている。これらを現代の教会は「伝道」、「教育」、「奉仕」として継承している。(聖書に用いられた「いやし」という言葉には、「仕えること、奉仕」という意味がある。)

 教会の中には(外にも)、カウンセリングによる「いやし」のわざを必要としている事態が多々ある。しかも、信徒がこうしたことに積極的に貢献することで、教会の職務である奉仕のわざに参加していると考えられる。
  言い換えれば、信徒が「伝道」のわざに参加するように、「牧会」の働きにも参加していることになる。牧会はどちらかといえば、教職者の独自な働きであるかの印象を持つが、「いやし」ということを考えれば、信徒もまた牧会に寄与する機会を十分に持つようになった。

 このような観点から発言しているのは賀来周一先生である。実際に、牧師にとどまらず信徒へのカウンセリング学習・研修を提供している賀来先生ならではの説得力もある。

…つづく(たぶん)
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Comment
2009/12/22 3:34 PM posted by: ふじかけ
野の花さん

いろいろ接点、また読書を熱心にされていますね。


2009/12/19 2:04 PM posted by: 野の花
久しぶりに、私がたくさん勉強させていただいた先生方のお名前に接しうれしくなってコメントさせていただきます。
父を看取るとき、柏木哲夫先生の「生と死を支える」を読みました。
三永恭平先生の「心を聴く」は教会のターミナルケア勉強会で読みながら話し合ったことがありました。
そのあと続いて、工藤信夫先生の「援助者とカウンセリング」を学び、終了後に先生をお迎えしたことがありました。
赤星先生は、教会付属幼稚園の当時の牧師園長がお親しくしており同僚がしばらくお世話になってお癒し頂き、その後おいでいただいて御講演をお聞きしたことがありました。
二〇年から三〇年前のお話です。
この機会にまた本棚の前のほうに並べて手に取りたいと思っております。
思い出の一時をいただき感謝いたします。
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