論文:「非行と家族機能との関連について」
2007.02.27 Tuesday 14:10
非行と家族機能との関連について
       
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非行と家族との関連について、これまで多くの研究が行われてきている。人の成長や資質形成への影響の大きさ、また現在の生活を支える構造上の影響の大きさを考えた場合、それは当然のことと言わねばならない。しかし、各研究の視点は必ずしも同一ではない。安香宏(1987)は、80年代後半の時点で、非行少年の家族研究は質的転換期に入っているとし、家族の形態特徴を問題とする研究から、家族の機能特徴を解明する研究に移行しつつあることを指摘している。さらに、そうした機能研究の考え方の典型として、家族成員間の心理的相互作用を問題とする家族システム論の立場、また家族全体の発達的プロセスを問題とする家族周期論の立場をあげている。しかし、安香自身も強調するように、こうした家族研究の考え方が、病院臨床での家族療法の隆盛に影響を受けたものであり、実証的に非行研究に適用されたことがなく、当時の研究課題とされた。鉛筆2
 
その後、非行臨床において、家族の機能を重視する立場から、臨床的、事例研究的な研究が輩出するようになり、生島浩(1993、1998、1999、2003)、団士郎(1993)、村松励(1988、1998、1999)、廣井亮一(2001)、藤掛明(2002)らにより、いずれも非行少年の所属する家族の有する、遊離性や纏綿性といった情緒次元の結びつきの大小に係る特徴に注目し、かなり具体的に家族援助法が実践、提唱された。こうした実践や事例次元の報告とは対照的に、相変わらず家族機能を扱った実証的、統計的な研究はあまり見られていない。唯一、福田順一(1991)が、Bloomの作成した尺度を参考に、自記式の家族機能尺度を作成したうえで、それを用いて、家族機能と非行少年の自立をめぐる行動との関連性を分析しているにとどまっている。
こうした研究の趨勢は、家族機能という概念が、臨床的な有用性を豊かに有し、臨床現場での治療者に好んで用いられる傾向を示しているように思われる。しかし、有用であるからこそ、治療者の主観や経験則にばかり基づくことには警戒せねばならず、むしろ、臨床的な観点からも、家族援助における客観的な把握や類的理解を促さねばならない。
そこで、本研究ではこうした現状をふまえ、家族をひとつのシステムとみなす考え方に立ち、非行少年の家族の持つ機能を統計的、事例研究的、双方の観点から分析、検討することを目的とする。
まず、研究1では、非行少年の家族内に働く機能をとらえるために、探索的に尺度構成を行う過程を述べたい。研究2では、家庭の状況や少年の布置、非行や問題行動の特徴などと、家族機能との関連をとらえ、さらに研究3では、各種の家族機能の典型事例を取り上げ、臨床的な解釈を行い、事例レベルで家族機能と非行がどのように関係しているのかを明らかにしたい。

供仝Φ罍院_搬乙’修亮榲拗柔
1 目的
 ここでは、家族機能に係る質問紙法を実施し、その回答の因子分析を行うことで、家族機能を抽出し、尺度構成を行う。
 まず家族機能についての質問紙調査の歴史をみると、OlsonによるFACES(Family Adaptability and Cohesion Evaluation Scales)が先駆である。
Olson(1979)は、それまでの家族システムの研究家、療法家により用いられている様々な概念を整理・分類した結果、家族機能を凝集性(Cohesion)と適応力(Adaptability)の2機能により説明できるとし、凝集性を水平軸、適応力を垂直軸にとる円環モデルを発表した。凝集性とは、家族成員が相互に抱く情緒的な絆をさし、また、適応力とは、状況的、発達的ストレスに応じて、勢力構造や役割関係を変化させる家族システムの能力をさしている。また、この2つの機能は、二次曲線的関係であることが強調されており、凝集性の場合には、それが高すぎると過剰の同一化を生み、相互の独立性が確保されなくなり、逆に低すぎると、個人が強調され、家族に対する関わりが不足してしまう。すなわち、両極は問題状況を生じさせるものであり、独立と結合のバランスのとれた中程度の凝集性がもっとも機能的であるとされている。これは適応力の場合にも同じであり、中程度の適応力がもっとも有効であるとされている。FACESは、こうした2つの家族機能を尺度化したものである。
わが国における家族機能の研究や事例考察の多くは、Olsonの家族機能の分析枠組みを活用・援用しており、共通概念のようになっているといえる。したがって、本研究は探索的な方法を用いるものの、このOlsonの提示している機能概念との関連も併せ考察していくこととする。
2 方法
(1) 被験者
少年鑑別所に入所中の男子少年112名(14〜19歳)を対象とした。なお、知的障害者やその疑いのある者は除いて実施した。調査に要した時間は、時間制限を設けなかったものの、約30分から50分であった。
(2) 調査方法
経験則上、面接などで実際に質問・調査することの多い、家族に関する質問を139項目選び、質問紙にし、3件法で回答させた。うち、109項目が全体家族(システムとしての家族の動き)についての質問であり、本調査の分析対象とした。(他の30項目は親子関係、両親関係を問うものであり、後の外在変数として用いた。)記入要領等の教示は文書(表1)で渡し、同時に同じ文章を調査者が読み聞かせた。
(3) 分析方法
質問紙の項目については、因子分析を行うに際して、次の基準で分析対象から除いた。ア 相関係数を調べ、係数の高い項目(0.6以上)は2項目のうち整理番号の大きい項目を機械的に除いた。
イ 出現の偏りの大きい項目(肯定、否定のいずれかの出現率が10%以下)を除いた。
ウ 不明回答(どちらともいえない)が25%以上出現した項目を除いた。
エ 質問項目の意味がわかりにくい項目を除いた。
オ 実施日時により2群にわけ、回答の出現率の検定を行い、5%水準の有意差が認められた項目を除いた。
アおよびイは、少数の偏った回答が軸を支配しないためであり、ウ及びエは質問内容の明確さを確保するためであり、オは信頼性を確保するためにとったものである。
以上の手続きを経て、50項目(表2)が選ばれ、その回答について、肯定を1、不明を2、否定を3として得点化し、因子分析を行った。因子分析には共通性を1.00として主因子法を用い、第4因子まで求め、バリマックス回転を行った。
3 結果と考察
 因子分析の結果を表3−1、3−2に示す。
第1因子を見ると、これに高い因子負荷量を示す項目は、「家族は何かを決めるときにお互いに知らせない」、「家族は話し合う必要があっても、話し合わない」、「家族は、家族の人のすることには関心がない」などの項目である。また反対側の負極には「家族がよく同じ部屋に集まることがある」などの項目がある。これらの項目は、家族が情緒的な結びつきに乏しく、互いに依存しあうことのない状態を示している。したがって、第1因子を「遊離性の因子」と命名する。
第2因子を見ると、これに高い因子負荷量を示す項目は、「いけないことをすると、家族に厳しく罰せられる」、「家族の規則を破ると厳しい罰がある」、「家族にしかられるときは、よくたたかれる」などの項目である。これらの項目は、家族が強い規制力を持ち、家族の規則を破ると罰が加えられる状態を示している。したがって、この第2因子を「規制性の因子」と命名する。
第3因子を見ると、これに高い因子負荷量を示す項目は、「家族は、お互いにどこにいるかを知っている」、「家族は共通の友達を持っている」、「家族が困ったといに、親が相談するような人がいる」などの項目である。これらは、家族が一体感を保ちながら、積極的に地域社会との関わりを持つ状態を示している項目であるから、この第3因子を「活動性の因子」と命名する。
第4因子を見ると、これに高い負荷量を示す項目は、「家族の中の規則を破っても、どうなるかははっきりしていない」、「家族は、今の家族の様子は変わらないと思っている」、「最後はやはり家族に助けてもらおうと思う」、「ていねいに説明しなくとも、家族の人には通じる」などの項目である。また、反対側の負極には「自分の家族の中のことで必ず仕事(分担)がある」などの項目がある。これらは、家族個々人が家族への帰属感を強く持ち、密着しあい、自律性や明確な役割関係が弱められた状態を示している項目であるから、この第4因子を「纏綿(てんめん)性の因子」と命名する。
以上、因子分析の結果、非行少年の家族機能として4つの因子が抽出された。
本研究の4因子の解釈をOlsonモデルに対応させた場合、「遊離性」および「纏綿性」がOlsonの「凝集性」の一部を表し、「規制性」および「活動性」がOlsonの「適応性」の一部を表しているものと考えられる。
以後の分析においては、被験者ごとの因子得点を算出し、外在する指標との相関をみたり、各軸の典型事例を臨床的に検討していくものとする。

掘仝Φ罍押_搬乙’修伐搬欧簇鷙圓僚特徴との関連
研究2−1
1 目的 
研究1で得られた4つの因子を基に、家族や非行少年の諸特徴と、家族機能との関連をみる。
2 方法
(1) 被験者
 研究1と同じである。
(2) 調査・分析方法
 外在変数として、27項目(表4−1)を設定し、それぞれについて評定を行った。評定にあたっては、被験者本人の自記式の調査票に主に基づき、担当面接者の記載した記録(少年簿)を精査することで確認、修正を行うという方法をとった。
 分析にあたっては、因子ごとに因子得点を算出し、それと外在変数との相関係数、T検定値を求めた。
3 結果と考察
各外在変数との相関係数、T検定による有意差水準を表4−2に示す。
(1) 被験者の年齢、長子の年齢と家族機能
被験者の年齢と家族機能の関係をみると、年齢が高いほど遊離性が高く(P<.01)、逆に規制性が低い(P<.05)。家族の発達は、長子の成長により大きな影響を受けると考えられるが、長子の年齢と家族機能の関係でも、やはり長子の年齢が高いほど遊離性が高いという結果を得た。これらのことからは、子どもの加齢発達とともに、家族機能が変動し、保護から独立援助へ、言葉を変えるなら凝集から遊離へと移行していくことを示している。  
(2) 家族形態、物理的環境と家族機能
現在の家族の欠損(両親健在でない)状態と家族機能の関係をみると、欠損状態が強まると(変数は便宜上3段階評定)遊離性は高まり(P<.01)纏綿性は低くなっている(P<.01)。これは両親による保護体制が、情緒的要素を強くもつ遊離性、纏綿性の両機能に対して、大きな影響力を持つことを示している。
一方、家屋の独立性、個人部屋の所有度と家族機能の関係では、有意差は見られず、物理的環境が家族機能に及ぼす影響が大きくないことを示している。
(3) 同胞順位と家族機能
同胞順位が家族内の相互作用に大きな意味をもつことが知られているが、家族機能との関係をみると、活動性機能において、長子が高く(P<.05)、次子が低いという結果を得た。これは家族の活動に、長子がより積極的な関わりを持ち、次子は対照的、相補的な位置にあることを想像させる。他の同胞順位、家族機能との関係では有意差は認められなかった。
(4) 現在の家族の問題と家族機能
 現在の家族の問題と家族機能との関係をみると、特定の家族成員を嫌っている場合には遊離性が高く(P<.05)、家族がともに過ごす時間が長い場合には遊離性が低くなっている。これは、もともとの「遊離性の機能」を構成している因子群の質問項目自体に、同じ趣旨の内容が複数含まれており、当然の結果と言えよう。
家族に(被験者を除いた)犯罪者、非行者がいる場合は、10%水準ではあるが、活動性が低く、遊離性が高い。これは、犯罪者、非行者を有する家族が地域社会に対して閉鎖的、消極的となっており、家族自身もその情緒的結びつきを弱めていることを示している。
経済状況と家族機能の関係では、有意差はみられなかった。
(5) 現在の被験者の問題行動と家族機能
 同棲経験(同棲歴も含む)と家族機能の関係についてみると、同棲経験がある方が活動性が高い(P<.05)。これは、家族成員が家族の外に出て行くに際して、活動性機能に、家族が干渉する作用があまりないことを示しており、同棲生活を少年たちが始めるに際して家族からの干渉が欠けていることを想像させる。同時に多くの同棲がきちんとした意味で自活を志向せず、気ままに親のスネをかじり続けることから凝集性や遊離性の次元で影響を受けていない。
 交通領域の問題行動である、無免許運転、暴走行為については、ともに活動性が低くなっている。これは同棲のように直接家族外部に離れていくような動きがとれず、家庭の中で抗議的、あるいは代償的な意味合いで交通非行が維持されていると考えることができる。
 盛り場はいかい、深夜帰宅については、ともに遊離性が高い状態にある。これらは、生活の中で家族の占める位置が低下している状態にあり、家族成員は家族以外の別の準拠集団やそれに準じる集団を求め、家庭は寝る場所以上の役割を果たさなくなっていることが疑われる。
家出と家族機能との関係では、有意差は認められなかった。
(6) 現在の非行特徴と家族機能
現在の非行特徴と家族機能の関係についてみると、共犯関係では、集団化に伴い、纏綿性が高くなっている(P<.01)。これは纏綿状態の中心的な性質である相互依存性と関係が深い。すなわち、自律的な行動を排除するような状態に親しみ、自律的な行動をとるのが苦手で、非行行動においても付和雷同的な集団非行に組するものと考えられる。
粗暴非行(傷害、暴行、強盗など)では、家族機能の規制性が高くなっている(P<.05)。これは、規制性の高い家族関係が、支配・被支配という縦の力の関係に終始しやすいと推察されることから、こうした対人関係のあり方を家族外でも行い、非行が生じるためでないかと考えられる。
シンナー吸引と家族機能との関係では、纏綿性が高くなっている(P<.05)。これは纏綿状態の中ではその成員は依存性を強く有しており、この依存性がシンナー吸引に結びついているためであると考えられる。
性非行(強姦など)では、遊離性が高い傾向にある。強姦は、行為者の内なる家族が崩壊して初めて実行できるものと言われることがあり、家族領域での孤立感を背景にしていることが示唆される。
窃盗非行と家族機能との関係では、有意差は認められなった。
(7) 被験者の防衛的な構えについて
人格目録(MJPI)上の自我防衛尺度と家族機能との関係では、有意差が認められなかった。
家族に対する理想化と家族機能との関係では、遊離性が有意に低く(P<.001)、活動性が高くなっている(P<.05)。遊離状態では、むしろ互いに排斥しあい、家族領域に対する理想化は働きにくく、また活動性の高い状態では、家族外との接触を持ち、目を家族の外に向けるために、仮に内的な問題や葛藤を抱えていても、それを表面化させないで済んでおり、理想化することへの抵抗が弱いことが関係していると考えられる。

研究2−2
1 目的
研究1で得られた4つの因子と、「親の養育態度」および「夫婦の連合度(一致度)」との関係を明らかにする。
2 方法
(1) 被験者
研究1と同じである。ただし、夫婦の連合度については、両親の健在する59名に限って分析した。
(2) 調査・分析方法
 「親の養育態度」については、表面的理論的妥当性のある17項目の質問を3件法により回答させた。また、夫婦(両親)の連合度についても、表面的理論的妥当性のある13項目の質問を3件法により回答させた。これらの回答を主成分分析を用いて圧縮し、「親の養育態度」については、「親の一方性、支配性」と「親の甘やかし、非主体性」の2成分を、「夫婦の連合度」については、「夫婦(両親)の連合度」の1成分を、それぞれ抽出した(表5−1、5−2)。
こうして得た各成分の成分得点と、先に得られた4因子の各因子得点との相関を調べ、相関係数、T検定値を求めた。
3 結果と考察
 親の養育態度および夫婦(両親)の連合度との相関係数、T検定による有意水準を表5−3に示す。
(1) 親の養育態度と家族機能
 親の養育態度と家族機能の関係について、まず親の一方性・支配性との関係をみると、この一方性・支配性が高いほど、遊離性(P<.001)、規制性(P<.001)が高くなっている。規制性には、もともと他の家族成員からの一方的で支配的な関わりのあることが内容として含まれているため、親がその一方的な関わりの主体であること自体自然なことで、この規制性との相関は当然と言えよう。また遊離性との相関は、支配、被支配というような家族内関係が、家族成員間の情緒的な結びつきに対して深刻な悪影響を及ぼすことを示している。
次に、親の甘やかし・非主体性との関係をみると、この親の甘やかし・非主体性が高いほど、遊離性(P<.01)、活動性(P<.01)が高くなっている。これは、遊離性の場合、親の一方性・支配性が高すぎても遊離するし、逆に甘やかしに堕してもやはり遊離するということであり、親の養育態度の中庸性が家族の凝集に対して必要とされていることを示しており、先のOlsonの二次曲線的関係が認められる。また、活動性の場合、家族成員が家族外部に出て行くに際して、親の主体的、意図的な働きかけが介在していないことを示唆している。
(2) 夫婦(両親)の連合度と家族機能
 夫婦(両親)の連合度と家族機能との関係をみると、連合度が高いほど、遊離性が低く(P<.001)、活動性が高い(P<.05)。また、同じく10%水準ながら規制性が低い傾向にある。これは、夫婦(両親)連合が強固なほど、世代境界が明確になり、システムとしての安定性が増すためであると考えられる。実際の非行臨床の治療戦略として、夫婦連合の強化を打ち出す場合があるが(たとえば村松1988)、その妥当性を示すものである。

検仝Φ罍魁‥儀浸例の分析
1 目的
これまで得られた4機能を、臨床的な立場から検討し、その臨床像を明らかにすると同時に、非行との関連をみるものとする。
2 方法
(1) 被験者
 研究1と同じであるが、そのうち因子分析での因子(機能)ごとに因子得点を算出し、高位のものをその因子(機能)の典型事例とみなして、分析対象とする。
(2) 調査、分析方法
典型とみなされた事例について、事例にまつわる資料を総合し、臨床的な観点から、家族関係および家族の持つ特質などを中心にすえて検討を行う。そして、典型事例に共通してみられる家族機能を要約し、因子分析の因子の命名と事例の解釈とを照合する。
また、Olsonの家族機能との関係についても考察する。
2 結果と考察
(1) 遊離性の高い典型事例の検討
 遊離性因子に高い因子得点を示す上位5事例を概観すると、親や親に相当する人物との深刻な生別、死別体験が共通してみられ、そのほとんどの事例の家庭が、現在崩壊状態やその一歩手前の状態にある。自分を保護し、また親身に指導してくれるような人物を早くから失っており、現在は家族外の集団に関心を向けている(同棲、右翼活動、テキヤ、暴走族各1例)。文字どおり遊離している家族に育ち、不遇感が強く、受容体験と安定した生活の場を求めている少年たちとみることができる。資質の偏りの大きい者もおり、社会生活への適応は不調となりやすく、非行はそうした不適応状態の中で行われているか、家族に代わる集団としての反社会的集団に所属することで引き起こされている。5事例中、1事例のみ両親健在で、経済的にも恵まれている家庭を持つ少年がみられるが、この事例においても、幼いころから同居者であった祖父母に溺愛されたが、相次いでその祖父母が死去し、実父母からは仕事等の忙しさを理由に放任されており、心理的にはやはり崩壊家庭に近い構造を有しているとみることが可能である。Olsonの家族機能との比較では、凝集性次元の遊離性に重なるものと考えられる。
(2) 規制性の高い典型事例の検討
 規制性因子に高い因子得点を示す上位5事例を概観すると、厳しく一方的ともいえるしつけを幼いころから少年に与えられており、全事例に体罰が盛んに行われている。飲酒のうえの厳しい叱責、体罰が3例あり、やや虐待に近いニュアンスを持つ事例もある。少年たちは、幼いころから一貫性や受容性に乏しい叱責を受け続けたために、自律性や内的な規範意識といったものがまったく育っていない。そして思春期前後に体罰中心の叱責方法の有効度が低下しはじめると、急速に親の放任的な傾向あるいは親子の接触の乏しい傾向が強まり、意欲も判断力も未熟なままに多種の非行を起こすようになっている。また、問題を起こすことで周囲から加えられる規制や指導に対して、その場しのぎ的な対応を繰り返すために、その指導効果があげにくいことも3例において指摘できる。なお、思春期前後における指導効果が急に低下しているが、これは子どもとの関わり方に柔軟性が欠けており、子どもの成長や問題化に対応するだけの機能の変動性がなかったことが大きく影響している。これはOlsonの家族機能の枠でいうなら、適応力の硬直状態がより深刻化した状態にあると考えられる。
(3) 活動性の高い典型事例の検討
活動性因子に高い因子得点を示す上位5事例を概観すると、親子の対立、葛藤のといったものが、少年の問題行動化の後も表面化していない点で、その程度に差はあるものの、共通している。家族はそれなりに習い事や趣味を持っており、あきらめの気持ちや友人のような気持ちから親は少年の行動に干渉しない。5例中2例が同棲生活を始めているが、家族への依存心は強く、家族側も容認しているため、遊離状態にはまったくなっていない。非行内容に共通したものはないが、内省に乏しく、遊びの延長として行われている。
 この活動因子について、先の因子解釈では、「家族が一体感を保ちながら、積極的に地域社会との関わりを持つ状態を示している」と解釈した。しかし、典型事例の検討による臨床像では、幾分ニュアンスが異なり、家族成員が家族外で自由気ままに積極的に行動することにはかわりないが、それは家族が問題を表面化させ、解決していく構えを失っており、相互の関わりを浅いものにすることで、表面的な友好関係を築いているためであると推察される。こうした点からは、先の家族の理想化が、この活動性においてみられたことは、家族の問題を直視せずに済まそうとする家族ムードと対応していると考えられる。Olsonの家族機能の枠組みでいうなら、適応力の無秩序状態に相当するものと考えられる。
(4) 纏綿性の高い典型事例の検討
 纏綿性の高い因子得点を示す5事例を概観すると、家族や成育史上の特徴などに特別の共通点はみられない。非行は、シンナー吸引が4件と、本件初発非行のひったくりが1件であり、概して非行が軽微であるといえる。非行も未熟な依存欲求を薬物や共犯関係で満たそうとした性質がある。ほかには保護領域からの離脱が大きくなく、親への反発心も持ってはいるものの、従うでもなく、反抗するでもなく、個がない感じがする。家庭内暴力が出現中の事例も1件あり、資質面での未熟性が強く、精神的に混乱しやすいことも3例に共通している。個人としての自律的構えに乏しく、未熟なまま家族の中に埋没しているようなところからは、Olsonの纏綿状態に相当するものと考えられる。
(5)先行研究における機能概念との比較
 本研究で抽出した4因子のうち、遊離性と纏綿性は、そのままOlsonの凝集性の両極(遊離、纏綿)に相当するものと考えられる。次に規制性と活動性については、Olsonの適応力の両極に近似したものと考えられ、それぞれ規制性が硬直に、活動性が無秩序に非常に似た概念となっている。
 本来、自記式調査の場合、主観的な家族情報しか扱い得ず、得られた所見は、被験者が認知している家族機能にほかならない。ただし、情緒的領域に深く関わりを持つ機能(Olsonの凝集性の概念等)に関しては、各成員が等しく家族に対する情緒的方向性を持っていると仮定できるため、個人情報によっても評定が可能であると思われる。
しかし、Olsonの適応力のように、家族がいかに自らのシステムを変動させていくのかという、行動次元の評価概念の場合、自記式調査により抽出された概念とはおのずと異なってくる。典型事例による検討も加えたことで、本研究の規制性や活動性の概念は、家族システムの硬直や無秩序といった状態が、家族成員により主観的に認知されたものとして、それぞれ抽出されたと見ることが可能であろう。

后,泙箸
(1) 家族機能について因子分析により、「遊離性」「規制性」「活動性」「纏綿性」の
4つの因子(家族機能)を取り出した。
(2) 家族や非行の諸特徴と家族機能との関連について分析した。年齢については、
高くなるほど遊離性が、低くなるほど規制性が低くなる。家族の欠損度においては、強まると遊離性が高くなり、纏綿性が低くなる。現在の被験者の問題行動でみると、同棲経験がある場合、家族の活動性が高い。現在の被験者の非行特徴との関係では、共犯関係では、集団化に伴い纏綿性が高く、粗暴非行では規制性が高い。またシンナー吸引では纏綿性が高く、性非行では遊離性が高い。いずれも、上の因子解釈と合致し、非行や家族の状況を、家族機能から意味づけることが可能であった。
(3) 親の養育態度等について、主成分分析により「親の一方性、支配性」「親の甘や
かし・非主体性」「夫婦(両親)連合度」の3つの成分を取り出し、これらと家族機能との関連について分析した。親の一方性・支配性が高いほど、遊離性、規制性が高い。また、親の甘やかし・非主体性が高いほど、遊離性、活動性が高い。また、夫婦連合度が高いほど、遊離性が低く、活動性が高い。いずれも、上の因子解釈と合致し、非行や家族の状況を、家族機能から意味づけることが可能であった。
(4) 典型事例の分析を行った。遊離性の高い典型事例では、ほとんどの家庭が崩壊
状態やその一歩手前の状態にあった。非行は深刻な不適応状態の中で行われるか、反社会的集団に所属することで行われていた。
規制性の高い事例では、虐待に近いものも含め、全例に体罰が見られた。少年たちは幼いころから一貫性、受容性の乏しい叱責を受け続けたために内的な規範意識が育っていなかった。非行は親の指導力が後退するなか、意欲、判断力が未熟なままに多種の方向に向かっていた。
活動性の高い典型事例では、親子の葛藤が表面化しておらず、家族は少年に干
渉せず、表面的な友好ムードを築いていた。非行に共通したものはないが、内省に乏しく、遊びの延長として行われていた。
纏綿性の高い典型事例では、資質面での未熟さが目立ち、自律の構えがないままに家族に埋没していた。非行は概して軽微であり、依存の欲求を薬物や共犯関係で満たそうとする性質があった。
(5) 本研究の遊離性と纏綿性は、Olsonの凝集性の両極(遊離、纏綿)に相当し、同
じく規制性と活動性は、Olsonの適応力の両極(硬直、無秩序)と近似していると考えられた。

参考文献
 安香宏(1987)非行と家族、「家族の人間関係恭届澄彈録、ブレーン出版。
 生島浩(1993)非行少年への対応と援助、金剛出版
 同 (1998)非行臨床における心理的援助の方法、「非行臨床の実践」収録、金剛出版
 同 (1999)悩みを抱えられない少年たち、日本評論社
 同 (2003)非行臨床の焦点、金剛出版
 団士郎(1993)非行と家族療法、ミネルヴァ書房
廣井亮一(2001)非行少年〜家裁調査官のケースファイル、宝島社
福田順一(1991)家族機能と非行少年の自立との関連、犯罪心理学研究29−1
藤掛明(2002)非行カウンセリング入門、金剛出版
村松励(1988)非行臨床における「家族」への援助過程、犯罪心理学研究26−特
同 (1998)非行臨床の課題、「非行臨床の実践」収録、金剛出版
同 (1999)薬物非行、「少年非行の世界」収録、有斐閣
Olson.D.H.,Sprenkle.D.H.,& Russell,C.S.(1979)Circumplex Model of marital and family systems. Family Process,18






























■ 表1 調査時の教示

質問が、自分の家族にあてはまるかどうか考えて、「はい」なら<○>、「いいえ」なら<×>、「どちらともいえない」なら<?>と回答してください。回答に、良いとか悪いということはありませんから、思ったまま、(なるべく<?>を使わずに)気軽に答えてください。


































■ 表2 分析対象となった質問項目

X1:家族はあなたに対して、うたぐり深い
X2:家族にしかられるときは、よくたたかれる
X3:家族はあなたの身のまわりのことを、うるさいほど指図する
X4:家族はあなたの学校や職場のことをしつこく聞いてくる
X5:家族で一緒にする趣味やスポーツがある。
X6:最後はやはり家族に助けてもらおうと思う
X7:わが家は近所との付き合いがあまりない。
X8:家族からしかられても、言い返さず聞き流す
X9:家族の関係はうまくいっているほうだ
X10:家族の中では言いたいことを言い合う

X11:家族と一緒に外出することが多い。
X12:家族は勉強でも遊びでも、あなたのすることの相手をしてくれる。
X13:家族がよく同じ部屋に集まることがある
X14:家族がそろって食事をすることがない
X15:一日中家族の誰とも話さないで過ごすことがある
X16:自分は家の中のことで必ずやる仕事(分担)がある
X17:家族の中だけで意味が通じる冗談やせりふがある
X18:ていねいに説明しなくとも、家族の人には通じる
X19:家族の大事な出来事をすぐに知らないままのことがある
X20:家族で決めることがあっても、ズルズルと先のばしになる

X21:家族で力を合わせれば、たいていのことは乗り越えられる
X22:家族が困ったときに、親が相談するような人がいる
X23:家族で困ったことがあると、家族でよく話し合う
X24:家族は、お互いにどこにいるかを知っている
X25:家族は、助けが必要なときにもお互いに頼らない
X26:家庭は大変さみしいところである
X27:家族はみな独自の考えを持っている
X28:家族は、家族以外の人と話しているほうが気楽であると思っている
X29:家族から離れて行動することは難しい
X30:家の中で一人になれる亜b所はないように思う

X31:家族は家にいるときもそれぞれ別々に過ごす
X32:家族はまるで一緒にいるときがないようである
X33:家族は共通の友だちを持っている
X34:何かを決める前に、家族に賛成してもらわないといけない
X35:家族の決定には従わねばならない
X36:家族は何かを決めるときにお互いに知らせない
X37:家族が一体になって何かをすることは難しい
X38:家族は話し合う必要があっても、話し合わない
X39:家族が考えていることを知ることは難しい
X40:家族の中でリーダーは誰だかわからない

X41:いけないことをすると、家族に厳しく罰せられる
X42:家族で何か問題を解決するときに、口をはさんでもしかたがない
X43:いけないことをしても、家族に罰せられることはない
X44:家族の規則を破ると厳しい罰がある
X45:家族はみな、誰が何をしようとしているかを知らない
X46:家族の中の規則を破っても、どうなるかははっきりしていない
X47:家族が一度計画したことを変えることは難しい
X48:家族は、今の家族の様子は変わらないと思っている
X49:家族は、家族の人のすることには関心がない
X50:わけもなく家族は気持ちを変えるように思える
























■ 表3−1 因子分析の結果

変数名 因子1 因子2 因子3 因子4 共通性
X1 0.3188 0.3649 -0.1923 -0.0433 0.2736
X2 0.0474 0.5824 -0.1469 -0.1565 0.3875
X3 0.1538 0.5319 -0.0318 -0.1421 0.3277
X4 -0.0468 0.4505 0.0223 -0.0153 0.2058
X5 -02877 0.2912 0.1835 -0.1867 0.2361
X6 -0.4483 0.1013 -0.1111 0.4989 0.4725
X7 0.0655 0.2106 -0.3663 0.0690 0.1876
X8 0.0035 0.2318 0.1102 0.0335 0.0670
X9 -0.3374 0.0915 0.3863 0.1405 0.2911
X10 -0.3471 -0.0484 0.3571 -0.0129 0.2505
X11 -0.1666 0.3429 0.3939 -0.1845 0.3345
X12 -0.3753 0.2136 0.3027 -0.1040 0.2889
X13 -0.5923 0.2286 0.2153 -0.1016 0.4598
X14 0.4809 0.0249 -0.0468 0.0897 0.2421
X15 0.5020 -0.1997 -0.0098 -0.0366 0.2933
X16 -0.1719 0.3468 0.1241 -0.3825 0.3115
X17 -0.3217 0.3061 0.2805 -0.1547 0.2996
X18 -0.3452 0.1674 0.0231 0.4763 0.3746
X19 0.5871 0.1837 -0.2009 0.0222 0.4193
X20 0.2811 0.1883 -0.4954 0.1249 0.3755
X21 -0.4734 0.3082 0.2158 0.0247 0.3662
X22 0.0384 0.1773 0.5200 0.0832 0.3102
X23 -0.5143 0.2130 0.3158 -0.0050 0.4097
X24 -0.0694 0.2354 0.6014 0.1174 0.4357
X25 0.5191 0.2330 0.1342 -0.2279 0.3937
X26 0.6607 -0.0917 0.0148 -0.2850 0.5263
X27 0.2072 0.3337 -0.1673 0.0280 0.1831
X28 0.4389 0.0473 0.1924 -0.0110 0.2320
X29 -0.2085 0.2453 0.1568 0.3450 0.2473
X30 0.2230 0.1999 0.0879 0.1749 0.1296
X31 0.6634 -0.0832 -0.1036 0.0569 0.4610
X32 0.6479 0.0897 -0.1881 -0.0014 0.4632
X33 -0.1077 0.2606 0.5739 0.0655 0.4132
X34 -0.2294 0.5011 0.2140 0.0612 0.3533
X35 -0.1632 0.5221 0.0221 0.0579 0.3031
X36 0.7240 -0.0271 -0.0335 0.1874 0.5612
X37 0.5496 0.0197 -0.2838 -0.0186 0.3833
X38 0.6921 -0.0527 -0.1426 -0.0224 0.5027
X39 0.3355 0.3066 -0.0440 0.0528 0.2113
X40 0.1278 -0.0663 0.0376 0.3125 0.1198
X41 -0.1451 0.5933 0.0139 0.0794 0.3796
X42 0.1720 0.2419 -0.1040 0.2729 0.1734
X43 0.2267 -0.1678 0.4527 -0.0821 0.2912
X44 0.0966 0.5915 0.1084 -0.1230 0.3861
X45 0.6154 0.0098 -0.1739 0.3924 0.5631
X46 0.0610 -0.1567 -0.1364 0.5821 0.3857
X47 -0.0855 0.4837 0.1660 0.1678 0.2970
X48 0.2252 -0.0226 0.2642 0.5386 0.4111
X49 0.6842 -0.1532 0.1452 0.2180 0.5602
X50 0.4531 0.2123 0.0224 0.0916 0.2593

因子負荷量2乗和 7.4705 4.0579 3.0214 2.2614
寄与率 14.9410 8.1158 6.0429 4.5227
累積寄与率 14.9410 23.0568 29.0997 33.6224


















■ 表3−2 因子別の負荷量の大きい項目
因子1
X36:家族は何かを決めるときにお互いに知らせない
X38:家族は話し合う必要があっても、話し合わない
X49:家族は、家族の人のすることには関心がない
X31:家族は家にいるときもそれぞれ別々に過ごす
X26:家庭は大変さみしいところである
X32:家族はまるで一緒にいるときがないようである
X45:家族はみな、誰が何をしようとしているかを知らない
X13:家族がよく同じ部屋に集まることがある(R)

因子2
X41:いけないことをすると、家族に厳しく罰せられる
X44:家族の規則を破ると厳しい罰がある
X2:家族にしかられるときは、よくたたかれる
X3:家族はあなたの身のまわりのことを、うるさいほど指図する
X35:家族の決定には従わねばならない
X34:何かを決める前に、家族に賛成してもらわないといけない
X47:家族が一度計画したことを変えることは難しい
X4:家族はあなたの学校や職場のことをしつこく聞いてくる

因子3
X24:家族は、お互いにどこにいるかを知っている
X33:家族は共通の友だちを持っている
X22:家族が困ったときに、親が相談するような人がいる
X20:家族で決めることがあっても、ズルズルと先のばしになる(R)
X43:いけないことをしても、家族に罰せられることはない
X11:家族と一緒に外出することが多い。
X9:家族の関係はうまくいっているほうだ
X10:家族の中では言いたいことを言い合う

因子4
X46:家族の中の規則を破っても、どうなるかははっきりしていない
X48:家族は、今の家族の様子は変わらないと思っている
X6:最後はやはり家族に助けてもらおうと思う
X18:ていねいに説明しなくとも、家族の人には通じる
X45:家族はみな、誰が何をしようとしているかを知らない(R)
X29:家族から離れて行動することは難しい
X28:家族は、家族以外の人と話しているほうが気楽であると思っている
X40:家族の中でリーダーは誰だかわからない
* (R)は負荷量が負値であるため、意味が逆転する項目を示す







































■ 表4−1 変数一覧

Y1:被験者の年齢
Y2:家族長子の年齢
Y3:現在の欠損状態(1.両親健在、2.片親、3.崩壊家庭)
Y4:家屋の独立度(1.集合住宅、2.一軒家借家、3.一軒家持ち家)
Y5:個人部屋の程度(1.自分の部屋なし、2.共同部屋、3.一人部屋)
Y6:同胞順位・一人っ子(1.非該当、2.該当)
Y7:同上・末っ子(1.非該当、2.該当)
Y8:同上・長子(1.非該当、2.該当)
Y9:同上・次子(1.非該当、2.該当)
Y10:同上・(中間子;1.非該当、2.該当)
Y11:嫌な家族成員の存在(被験者が明確に言語化;1.なし、2.あり)
Y12:家族成員に非行者、犯罪者の存在(1.なし、2.あり)
Y13:経済的困窮状態(被験者が明確に言語化;1.なし、2.あり)
Y14:家で家族と過ごす時間の程度(1.一人でいるほうが多い、2.どちらともいえない、
3.家族といるほうが多い)
Y15:被験者の問題行動・同棲経験(1.なし、2.あり)
Y16:同上・現在の家出、無断外泊の習慣(1.なし、2.あり)
Y17:同上・現在の無免許運転の習慣(1.なし、2.あり)
Y18:同上・現在の盛り場はいかいの習慣(1.なし、2.あり)
Y19:同上・現在の深夜12時以降の帰宅(1.なし、2.あり)
Y20:同上・現在の暴走行為(1.なし、2.あり)
Y21:非行特徴・共犯化(1.一人、2.一人のことがやや多い、3.どちらともいえない、4.仲間とすることが多い、5.たいてい仲間とする)
Y22:同上・窃盗常習(過去の財産非行による補導等が6度以上;1.非該当、2.該当)
Y23:同上・粗暴非行常習(過去の粗暴非行による補導等が6度以上;1.非該当、2.該当)
Y24:同上・薬物非行(現在のシンナー吸引習慣;1.なし、2.あり)
Y25:同上・性非行(本件が強姦、同未遂、強姦目的の逮捕監禁等;1.非該当、2.該当)
Y26:被験者の防衛(法務省式人格目録新追加版の信頼性尺度のT得点;1.60未満、2.60以上、3.65以上、4.70以上)
Y27:被験者の家族の理想化(家族の好きな人、嫌いな人を問う調査項目について、家族全員を好きと答え、嫌いな人はいないと回答した;1.非該当、2.該当)






■ 表4−2 家族機能4因子と外在変数との相関

変数名 因子1(遊離性) 因子2(規制性) 因子3(活動性) 因子4(纏綿性)
Y1 .250** -.231* .149 -.121
Y2 .169+ -.048 -.016 -.107
Y3 .300** -.082 .025 -.286**
Y4 -.149 .059 -.041 .008
Y5 -.052 .021 .112 .116
Y6 .075 -.009 .006 .015
Y7 .066 -.034 -.069 -.042
Y8 -.098 .014 .196* .070
Y9 .019 -.066 -.157+ -.143
Y10 -.020 .071 -.045 .065
Y11 .219* .038 -.128 -.060
Y12 .163+ -.076 -.169+ .031
Y13 .104 .020 -.064 -.049
Y14 -.164+ .134 .055 -.085
Y15 .067 -.024 .204* .013
Y16 .101 .115 -.145 -.037
Y17 -.053 .062 -.166+ .020
Y18 .272** .043 -.124 -.027
Y19 .164+ -.158+ -.023 .214*
Y20 .004 -.077 -.177+ -.024
Y21 -.099 .029 -.056 .283**
Y22 .097 .063 -.132 -.115
Y23 .053 .192* -.035 .078
Y24 -.112 .081 -.126 .190*
Y25 .161+ .082 .119 -.091
Y26 -.034 .090 -.108 -.075
Y27 -.342*** .014 .229* .099
+は10%水準、*は5%水準、**は1%水準、***は0.1%水準の有意差を示す






■ 表5−1 親の養育態度に関する主成分分析

第1成分<親の一方性・支配性>
質問項目
親はあなたの意見をあまり聞いてくれない .787
親は気分であなたへの態度を変える .763
親が自分のことをどう思っているかよくわからない .640
親にいわれたとおりにしないとひどくしかられる .615
親はあなたにあまり相談せずに言えのことをいろいろ決める .608
親は日ごろほうっていて、時々うりさいほど怒る .542
親は家でいばっている .535
親はいつも困ったときにアドバイスをくれる -.397

第2成分<親の甘やかし・非主体性>
あなたが頼めば、親はたいていのことはしてくれる .624
親はあなたのいうとおりにしてくれる .591
親はあなたをひどくしかったあとで、機嫌をとったりする .575
親はいつも自分の考えをはっきりいう -.395
ほしいものでも、親は買ってくれないことが多い。 -.360





















■ 表5−2 夫婦(両親)連合に関する主成分分析の結果

第1成分<夫婦(両親)の連合度>
質問項目
あなたのことを片方の親だけが心配したり面倒をみてくれる .749
あなたの両親は仲が悪い .728
親はどちらかがいないとき、片方がその人の悪口をいう .664
あなたは親のうち片方が好きで、片方が嫌い .662
あなたの両親はお互いにあまりしゃべらない .604
両親のうちどちらかがもう片方に遠慮している .603
あなたの親はよく言い争いをしている .588
両親があなたにいうことは、くい違うことが多い .489




























■ 5−3

成分名 因子1(遊離性) 因子2(規制性) 因子3(活動性) 因子4(纏綿性)
親の養育態度一方性・支配性 .565*** .335*** -.095 .065
親の養育態度甘やかし .302** -.036 .249** -.007
夫婦(両親)連合度 -.496*** -.224+ .246* -.077
+は10%水準、*は5%水準、**は1%水準、***は0.1%水準の有意差を示す

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2020.10.17 Saturday 14:10
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Comment
2009/05/24 8:39 PM posted by: ふじかけ
Kさん

ご質問ありがとうございます。
家族機能の研究や書籍は、けっこう出回っているのではないでしょうか。

オルソンのを、2尺度にした大規模な日本人での研究も、どこかけっこう大手の出版社から出ていたように思います。「家族のきずな」尺度と「家族の舵取り」尺度だったと思います。

私の家族機能の質問紙は、ブログ掲載のとおりの項目です。
私自身は、アメリカのファミリープロセス誌
に、いろいろな家族機能テストが登場していますので、当時心ときめかして読んでいました。
ただ、私が最新の文献を読んでいたのは20年前で、その後、臨床(家族療法)に移行してしまいました。
ブログ掲載の論文は、6年前に書いたものですが、大学に転職して、とにかく1本職場に出さなければならなかったので、昔とった杵柄ということで、急場ごしらえしたものです。

非行少年の調査ですが、以下の論文での尺度構成は、出来が良いと思います。これも古いのですが…

福田順一(1991)家族機能と非行少年の自立との関連、犯罪心理学研究29−1

2009/05/23 8:30 AM posted by: K
始めまして、突然のメール申し訳ありません。私は、精神科で家族支援に携わらせていただいておりまして、非常に家族機能に興味を持ちました。現在は教育の現場で働いておりますが、学生のEQの低さ、道徳のなさ、しつけのなさに日々エネルギーを注がれている毎日です。中でも家族との関わりにおいては、私の学生時代に比べ非常に多いように見えます。申し訳ありませんが、先生の使用している家族機能検査表の原本や文献、検査時の解釈、マニュアル等が分かる文献をご紹介していただけないでしょうか?よろしくお願いします。
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