2018・牧会サマーセミナー報告
2018.09.25 Tuesday 07:59

2018 牧会サマーセミナー


2018年9月10日(月)、牧会サマーセミナーが開催された。

 

思えば、2009年8月に第1回目の牧会サマーセミナーを開催してから10年10回目となる。記念すべき第1回は、「牧会者の癒しと自己開示」というテーマで、加藤常昭先生を講師としてお招きした。その後のテーマの推移を見ると、当初は、牧会者と癒しの問題を扱っていいた(◆嶌Fの教会と牧師の役割」、「傷付いた魂の癒しを求めて」、ぁ嵋匆饉圓隆躓,般し」)。ついで牧会相談の具体論(ァ嵋匆颪砲ける家族の問題」、Α峩飢颪砲ける人間関係」)に移行し、そこから牧会者自身の自己ケアの問題に辿り着いた(А嵋匆饉圓亮己ケア」、─嵋匆饉圓亮己ケア〜時間と生活」、「牧会者の説教と自己ケア」)。

 

今回は、これら10年間の余韻を味わいながら、なるべく幅広く、参加者の自由な語り合いを目指し、「今、語り合いたい教会のこと、牧師のこと」をテーマとした。そして今回の講師は、香山リカ先生、堀肇先生のお二人にお願いし、それぞれ精神科医、牧師の立場からご講演をいただくこととした。

 

さてセミナーでは、最初に参加者一人一人が自己紹介をし、本セミナーへの期待を語った。19名の牧師、伝道師等が参加してくださったのだが、すべてのそれは切実なものが多く、牧会者として自分に向き合う真摯な姿勢を印象付けるものばかりであった。

 

その後午前中に2つの講演があった。一つ目の講演は、香山リカ先生(精神科医、立教大学教授)によるもので、3つのトピックスが扱れた。一つは現代人が癒しや救いを求めている現状について、二つは教会に来る精神障害者への対応の仕方について、三つは牧師のメンタルヘルスのあり方について、それぞれ精神科医の立場から述べられたものであった。そして最後に問題提起として 崕估り自由」のキリスト教はあるのか、教会は「パワースポット」になれないのか、AI牧師ではダメなのか、と語りかけて講演を終えた。社会を分析し、かたや牧会者を受容し期待する姿勢には、参加者一堂が励まされ、また新鮮な示唆を受けた。筆者は「出入り自由」のキリスト教との提言にいたく刺激され、一日いろいろとそのことを考えていた。

 

二つ目の講演は、堀肇先生(牧師、聖学院大学総合研究所特別研究員)で、多くの事柄を扱ってくださったが、大きく捉えるとやはり3つのトピックスについて論じられたと思う。一つは牧師と信徒の問題についてである。牧師の目標と求道者や信徒の霊的ニーズのずれについて述べられた。また引退牧師の語った「落ち穂拾い」という言葉を紹介し、教会が悩む人を受け入れ、落ちこぼしてしまった魂への配慮をする責任があることに触れられた。二つは牧師の孤独の問題について取り上げ、霊的同伴者の必要を述べ、三つは教会のあり方について取り上げ、教会の本質は「慰めの共同体」であると述べられた。そして、共同体を喪失している現代社会に対して提示すべき真の共同体モデルであると語られた。盛りだくさんの内容を扱った講演であったが、牧会者を温かく受容するような語り口で、ひとつひとつについてゆったりと深く味わうような感じであった。

 

 昼休憩をはさみ、午後からは3つのグループに分かれた。このグループでの語り合いは午後の2時間を使い、参加者が午前中の講演で引き出された思いや課題、また現に直面している困難を語り合い、分かち合うことを目指した。グループごとにあらかじめテーマがあるわけでなく、参加者はいわば機械的に振り分けられるのだが、グループごとに話題は個性化する。守秘義務があるため、内容については書けないが、どのグループでも切実な事柄が話され、その場で解決策をコメントするわけではないのだが、語り合いの中で各自が新たな洞察を得ているように思われた。

 

その後全体で集まり,グループごとに語り合った内容を報告し、全体でわかちあい、最後に花野井百合子先生(臨床心理士、聖学院大学総合研究所カウンセリング研究センター心理相談スタッフ)、藤掛明、堀肇先生がそれぞれに報告に関連してコメントを述べて、まとめとした。こうして9時30分から始まったセミナーは予定通り16時に終了した。

 

  長丁場のセミナーであるが、毎回思うのだが、あっという間の一日であった。今回参加者の方々から、「このセミナーには不思議な居心地の良さがある」「リラックスした空気」などのお声を聞いたが、講演にもグループにも、豊かな相互作用性が働いている証だと思わされた。(以上)

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2018.12.11 Tuesday 07:59
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2018/09/27 8:51 PM posted by: いのりちゃん
毎日、キリスト様によって、なんとか、罪赦されて、生かされています私です。
今日も藤掛先生のブログを見て、いろいろと思いめぐらしていました。
洗礼を受けた身でありながら、私は、まだ教会に辿り着いていません。
でも、聖書愛読こよみを読んで、黙想し、祈っています。
香山リカ先生の本なども借りたりしています。
愛と慰めは、聖書の文中やクリスチャンの存在を示してくれる書物やブログからも感じ取ることができる時もあります。
そして、救い主キリスト様に平安を頂いて、これからも、ほんの少しでも、神様の栄光があらわせるような自分になりたいと思っています。

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