「隣に座って」を読んで
2020.01.10 Friday 00:35

中村佐知さんの「隣に座って」を読んで。

 

本書は心の揺れも、絶望も、信仰による希望も、リアルに同時に語られる。
普通なら希望や奇跡だけを望んだり、逆に絶望や現実だけに圧倒されたり、とかく一定の方向に針が振れがちになるのだが、それがない。そして、どれもこれも心の奥底からの吐露なのである。

 

私は中村さんのブログの看病記をもともとリアルタイムで読んでいたが、途中から「まとめ読み」ないしは「飛ばし読み」に変化した。なぜならブログへ寄せられる多数のコメントが奇跡的な癒しを期待する熱気に満ちていたからである。それは自然なことであり、良いことでもある。

私はひとつひとつのコメントに熱気を感じた。これは中村さんの受けとめ方ひとつであるのだが、場合によっては、コメントが現実を度外視した積極思考を迫ったり、逆に神の摂理を強調した諦念を突きつけたりすることがあるのではないかと気にした。

 

しかしこれは杞憂であった。本書にもこう記されている。

「本当にそうだ。どんな命も、この地上での長さにかかわらず、神様から与えられた使命があるのだ。しかしだからといって、癒やしを求めるのをやめようとも思わない。医学的に見て難しいからといって、癒やされないと決めつける必要はないはずだ。私の友人たちの多くも、あえて奇跡を求めて大胆に祈ってくださっている。」182p

 

このような二律背反の世界を受け止める中で、中村さんの祈りのフォーカスも
「癒やしそのものよりも」娘さんの痛みが抑えられ、朝ごとに新しい神様の恵みとあわれみの中で平安の内に過ごせるように。また、この試練の中でも神様からのギフトのひとつひとつに気づき、目を留め、感動し、感謝でできるように。また、娘さんの家族や友人との時間が祝されるように。また今回のことを通して神様のご栄光が表されますように。といったことにシフトしていったという。

成熟した魂の叫びは、美しささえ感じさせる。

 

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2020.02.17 Monday 00:35
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