牧師転落死事件から学べること(4)
2007.07.03 Tuesday 22:01
クスチャン新聞4回連載「牧師転落死事件から学べること」の最終回。

【事件後の今必要なことは】

6.霊的解決と心理的援助
 M氏は、かつて青年時代にシンナーに耽溺する際、悪魔に暴れられる恐怖感を持っていたという。また、最近になって、サタンの攻撃の恐怖感を強調していたことや、被害女性に「悪霊」を感じ追い出さなければならないと考えていたことなどを考え合わせると、自分の内なる処理できない罪意識や圧迫感を薬理作用の中で、外に投影していたものと考えることが可能である。花
こうした意識の持ち方は特徴的であり、人生早期から心理的なダメージを負い、おそらくは父子関係にまで遡らなくてはならない性質のものであると思われる。
 こうした事柄は、霊的な問題として扱われるべき性質が強いが、心理的なダメージの大きい人には、心理的側面からも援助を提供したほうが良い場合がある。M氏にもこうしたことがあてはまるように思う。
 トゥルニエ博士は次のような趣旨のことを述べている。霊的解決は、海で溺れている人にとって「浮き輪」のようなものであり、そこにしがみつくことで完全な解決を得ることができる。しかしある人は、腕が痙攣しており、うまく浮き輪にしがみつけないことがある。そのときは腕へのマッサージをしてあげ、当人が浮き輪にしがみつくことができるように助けることが必要であり、それが心理的援助なのだと。

7.介入の難しさと不幸
 居直る指導者を、周囲が立ち止まらせるのは非常に難しい。M氏の場合も、監督者としての教団があり、教会内外に同労者がおり、彼に関わる関係者が他にもいたはずである。しかし、周囲からの介入は難しかった。第2回記事で扱ったように、居直り型の場合、当人が素直に自分の弱さを語ることがない。しかし、それでも、自分のただならぬ言動で、自分の無力感を言外に伝えようとするのである。M氏も冷静にみれば大きな失敗を時おり見せている。しかし、自分の弱さをこうして出しても、ユニークさ、英雄ぶりとして受けとめられてしまっているように思える。
 逆に周囲は、やはり限界状況を示した際に(本人がいくら否定したとしても)強力に介入することが求められていると思う。M氏の最近でいえば、1年間、牧師を病気休職したときなどはそうしたタイミングであったように思われる。

8.今なすべきこと
 今なすべきことは、まず今回の事件を検証し、教訓を得ることである。が、それ以上に大切なことは、M氏の所属した教団、そして何よりもその教会、M氏を慕う全国の信徒や求道者。そうした人たちの霊的、心理的なサポートをきちんと行うことではないかと思う。幸い当該教会は再建に向けて取り組んでいるという。多くの的はずれな誹謗中傷に取り囲まれながら、様々に傷つけられている彼らに、私たちがいかに寄り添い、祈り、勇気づけていけるのかが問われているのである。
(おわり)
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