牧師のメンタルヘルス(1章−1−(1))
2007.08.31 Friday 16:45

1 現在の問題状況
1章 牧師とストレス
1.牧師のストレスの特徴
(1)人間関係専門職としてのストレス
 牧師の仕事は恵みと栄誉に満ちている。しかし、同じくらいに過酷さと責任の重さが突きつけられている。
まず最初に、遊園地
牧師の仕事のもつ特徴を心理的な面から考えると、それは人間関係を扱い、直面し続ける仕事であるということである。他にも接客業から教育者、私のようなカウンセラーなど、人間関係を扱う仕事は多々あるが、牧師の場合は、やはり違う。
 というのも、牧師のもとにはありとあらゆる人がやってくるからだ。この「ありとあらゆる」のスケールが違うのだ。他の人間関係の職業は意外と関わる人々が限定されている。あるいは自分からある程度選べる。しかし、牧師にはそれがない。それどころか、通常の制度や窓口で対応してもらえないような、いわば特別に手のかかる人、特殊な事情をかかえた人もどんどんやってくるのだ。
 それでは、牧師が人間関係の特別な専門家として訓練を受けるかというとそうではない。聖書の釈義や神学の理解は、神学校時代から訓練を受ける。しかし、人間関係の訓練については、その働きにふさわしいレベルのものはほぼ与えられない。
 また、人間関係を扱う専門家の場合、通常、より熟達した同業種の先輩から定期的な指導や援助を受ける体制が整えられているものだが、牧師集団にはそれもない。
 どれも、そのほとんどが各個人の素質と努力に委ねられている。いわば社会のありとあらゆる人に対して、それも複雑な問題を抱えている人に対して、丸腰のまま、関わりを持っていくのである。当然のことながら、対応に迷い、時に傷つけられるような目にも遭うのである。

*あまりに平凡な記述になったか?前途多難
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2020.01.23 Thursday 16:45
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Comment
2007/09/07 12:13 AM posted by: ふじかけ
クレオパさま

コメント、ありがとうございます!

「必要でない牧師」というものも、「牧師という役割に対する意識過剰」からの脱却に、つながるものですね。

以前、牧会ジャーナル草創期の記事で、「牧師コラージュ訪問記」というのを連載していました。私が著名牧師に会いに行き、面談と心理テストを実施して、心理学的人物像を描く、というもので、実にすばらしい企画でした(笑)。
そのとき、多くの牧師が、ある時期、自分の努力ではどうにもならない困難な状況に遭遇して、牧師である自分が動かなくなる大転回点を経験しているように思いました。

すこしニュアンスが違ってくるかもしれませんが、信徒を育てると信徒が勝手に育っていく、という二律背反性にも私は関心があります。

カウンセラーも、面接室で、自分の努力・技術にのみ頼ろうとすると失敗します。といってクライエントの独自の動きを期待してしまうのもうまくいきません。「治す」と「治る」のバランスが100%対100%くらいの同じ重さで、面接室を支配しているときに、カウンセリングは機能します。

またカウンセラーからクライエントを早く自立させるテクニックに、オープンエンドというのがあります。
カウンセリングは終わりにはしないし、これからも契約関係は続くけど、そして、いつでも予約して面接を受けてよいのだけれど、一応終了としましょう。という終わり方です。自立と援助のバランスをわかりやすく設定する方法だとも理解できます。

ふだん「必要でない牧師」というのも案外、「いざというときには必要な牧師」にもなれる人なのかもしれません。信徒を育てる、と、信徒が育つ、の双方のどちらも軽んじずに牧会をされる牧師の姿が、信徒の模範となって、信徒も、自分の努力、と、神の主権、の双方を軽んじない生き方を身につけられると思うのです。

いずれにしろ二律背反の世界に自分を置きつづける塩梅が実は難しいのですが・・・。

大塚さんの紹介記事を読んでみます〜。
2007/09/06 7:32 PM posted by: クレオパ
なかなか深い意見交換がなされていて、素晴らしいですね。ユージン・ピーターソンの著書に、「Unnecessary Pastor」というのがあったはずです。「必要でない牧師」という意味でしょうが、牧会ジャーナルに、大塚氏が紹介していました。

牧師は、「牧師を必要としないように信徒を育てる、そのように牧会する」という主旨ではないかと思います。「そのための牧師を必要としている」と言えるかも知れません。心理カウンセラーのかかわりも、やがてはカウンセラーを必要としなくなるよう、クライアントにかかわるのがゴールだと聞きました。

イエスも、復活後、弟子たちに、「さようなら」と天に帰って行かれました。そのぶん、聖霊を遣わしてくださいましたが、神を前にした自立へと、私たちを導いておられるのでしょうか。
2007/09/05 11:16 PM posted by: ふじかけ
太郎さま

コメントありがとうございます。

「牧師という役割に対する意識過剰」。するどい言葉ですね。

私は、ブログのどこかにも少し書いたことがありますが、「使命感」と「共感性」のバランスが大切なのかなと思っています。

牧師が、使命感を優先しすぎるあまり、結果オーライで、信徒や役員を敵に回すパターンって、よくあるように思うのです。
共感性を発揮しながら、反対者への調整・説明も最善をつくし、そのうえで、葛藤しながら、最後に、えい!と使命に向かって決断するのは、すばらしい状態だと思うのですが、

そうではなく、そうした共感性も、努力も、葛藤もないままに、使命だからと、それを優先させていくだけだと、それは極端な場合「ゆがんだ自己愛」とでも評するような状態になってしまうと思います。

太郎さまのコメントとはずれてしまったかもしれません・・・

これからもコメント、お願いします。
2007/09/04 11:19 PM posted by: 太郎
ジェームス・フーストン先生の言葉に、「牧師という役割に対する意識過剰」というものがありました。多くのヒントがここに潜んでいると思います。
自分の「こうあらねば」という意識、信徒からの「こうあってほしい」という無理難題。最高善である神様を背負って、聖書の言葉を代弁しなければならないという気負い、人生のあらゆる問題に対処しなければという誤った全能感・・・。
牧師であっても、スーパーマンである必要はないと思います。
2007/09/04 9:36 PM posted by: ふじかけ
のぶお さま

コメント、ありがとうございます!!
コメントいただいたものを(できる範囲で)反映させながら原稿かいていきたいと思いますので、これからもコメントお願いします。

他の牧師の方々。良ければぜひ、コメントを!
今後、少しずつ書いていきますので。
2007/09/01 9:08 AM posted by: のぶお
ブログでの原稿掲載を楽しみにしています。

牧師は確かに同業種の先輩から定期的な指導や援助を受ける体制がありませんね。
しかも、多くは一教会に一牧師で、置かれた状況を複眼的に見てくれる他の牧師もいないため、具体的な相談もしづらい状況ですよね。

挙句の果てに、日曜日の礼拝も、平日の祈祷会も他の教会と似たような時間にやっているのですから、
他の礼拝、祈祷会に出席するのも、休暇を取るのでもない限り困難ですものね。
その意味では、各個人の素質と努力に委ねられていると思います。

特殊な事情のある人との関わりもそうですが
多くの場合、牧師は具体的な解決を提示できない
心苦しさがあるでしょう。

神学的、聖書学的に学んだ専門性がこの世で悩む人の具体的な解決にならない
(もちろん、根源的な解決は提示するのでしょうが
これは、なかなかわかってもらえない)
そういうじれったさ、虚しさが
牧師を病ませると思うのです。

スピーディな解決を求める現代社会で
「祈りが聞かれるまで待つ」ということだけでも
多くの現代人には聞き入れにくいことでしょう。

また
人間関係問題については聖書に書かれていることよりも
カウンセラーやカウンセリング本のほうが実際的・具体的な答えに近かったり
金銭問題については、行政やさまざまなこの世的な解決のほうが実際的、具体的な解決に近いと思われるケースのほうが多いと思います。

キリストに救いがあると確信をもって伝えながらも
他のこの世のもののほうが具体的な解決があるように思える現実に
牧師は失望し、離職していくように思います。

すみません。
いろいろ書きましたが、
これからの連載を楽しみにしています。
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