描画技法辞典:「描画療法のシステム論的アプローチ」
2006.12.09 Saturday 09:00
【描画療法のシステム論的アプローチ】

描画テスト種目ではないが,作品のイメージを静的に鑑賞するにとどまらず,時に応じて治療的な意図の下に積極的に介入していくアプローチについては,あまり邦文書籍で扱われることがこれまで少なかったように思うので,ここで取り上げることにする。こうしたアプローチは,描き手の作品を見ながら,描き手がその作品に新しい意味を見いだすように援助していくことを旨とし,いったん描かれた作品を前にして,新たに描き加えたり,作品自体を切り離したりすることによって「体験」してもらい「枠付けのし直し」を図るものである。私の台紙を裏返したり,地図を切り貼りしたりするのも介入的と言える。また,この実践ノートで紹介した石川による合同家族画,廣井による間取図などもこのアプローチに入る。描画場面の相互作用性を最大限に感じていくと,こうしたアプローチをとることはごく自然なことと思えてくる。既存の描画テストの枠組みで言えば,描画後質問を言葉でなく,絵や創作行為で行うようなものである。


<文献1>S.ライリー,「個人アートセラピーの戦略的家族システム論的アプローチ」1992,鈴木恵訳,『臨床描画研究察戞て本描画テスト・描画療法学会,金剛出版。M.ユング,「父親の死について描かれた本・家族員の死とそれに取り組む遺族を援助するための予防としてのアートセラピー」1987,鈴木恵訳,『臨床描画研究検戞て本描画テスト・描画療法学会,金剛出版。
いずれもシステム論に基づいた描画療法の上質な論文である。おいしい日本茶を用意してありがたくいただきましょう。


<文献2>藤掛明,「家族画における介入的アプローチ」1995,『臨床描画研究勝戞て本描画テスト・描画療法学会,金剛出版。
私自身,描画療法においてすべてではないが,事例に応じていろいろな介入をすることがある。そうした活動を振り返り,(1)新たに新しい用紙に描き直す。同一画面に書き加える。(2)裏返す。切り離す。並べ替える。(3)絵以外のものに創り上げていく。に分け,事例を中心に報告したものである。



| ふじかけ | 描画テスト技法辞典 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
2019.08.18 Sunday 09:00
| スポンサードリンク | - | - | - | pookmark |
Comment
name:
email:
url:
comments:
Trackback
http://fujikake.jugem.jp/trackback/74
Search
Profile
Recommend
Recommend
Recommend
雨降りの心理学 雨が心を動かすとき
雨降りの心理学 雨が心を動かすとき (JUGEMレビュー »)
藤掛 明
雨の心理的イメージを鍵に、雨の降る物語を読み解く。カウンセリング論であり、人生論でもある。
Category
Archive
Latest Entry
Recent Comment
Recent Trackback
Links
Admin
Calendar
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>
記事分析
アート情報
Sponsored links
Mobile
qrcode
無料ブログ作成サービス JUGEM