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信徒がかかわる、牧師のメンタルヘルス1
2014.05.31 Saturday 22:49

少し長めの寸言(34)

1 信徒の自由と責任が増す時代

 現代では、牧師は、ある意味分断され、孤立させられている。老練牧師から若手牧師への世代的な知恵の継承もままならないし、また、個々の牧師の横のネットワークや友情関係もままならない場合が多くあるように思える。
 一方で、信徒は飛躍的に自由と責任を得るようになっている。ネットを通して、瞬時、自在に、出席教会以外の超教派プログラム、多様な宗教書、ブログの意見など広範な情報に接することができ、信徒の持つ情報量が、牧師のそれと差がなくなりつつある。横のネットワークを得たいと願えば、いくらでも教会の外での交わりが保障され、すこし誇張すれば教会や牧師を選ぶことさえできるようになったと言えなくもない。このような変化のなか、個々の所属教会の意味が薄らぎかねない。しかし、忘れてはならないのは、信徒は交わりを広げていくことや、意見を広く主張することの特権を得たと同時に、だからこそ個々の教会を形作り、牧師を支えていくという点で大きな責任も担うようになっているということだ。今ほど信徒の責任が増している時代はないと感じさせられている。
 

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熱気を感じた二日間
2014.05.31 Saturday 22:37


 昨夜は、都内で、臨床心理職のとある会合に出席した。
 会合に関わる人たちが、国会の動きを注視しながら、しかしたんたんと前進していく姿は見ていて毎回すごいと思う。
 午後9時に終了となり、埼玉の田舎に自宅に戻ってきて、最小限・急ぎのメールの返事を書いたら、あっという間に0時が過ぎた。

 実は、今日、大阪の関西大学を会場に、描画の学会の研修会があり、その講師を引き受けていた。
 前泊せず、当日の移動としたために、いつもより早めに起床し、予想通り寝不足での登壇となった。
 あいかわらず、滑舌は悪く、受講者には申し訳ないと思う。「心理面接の基礎」と「描画による心理面接の基礎」の2つのテーマをいただいた。なかでも「心理面接の基礎」というテーマで講義を引き受けることはこれまでなかったので、新鮮な体験だった。

 期せずして、昨日は、心理職の国家資格の話し合い。そして今日は、描画の学会資格の研修。
 たかが資格、されど資格というところか。しかし資格の影響力が絶大なのも事実。

 根性と体力のない私としては、ずいぶんと熱気を感じ、消耗した2日間となった。
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教育の課題〜合理性以外の事柄を見ない社会
2014.05.30 Friday 00:25
少し長めの寸言(33)

(3)合理性以外の事柄を見ない社会

若者が問題を必要以上にこじらせることがある。つまるところその人が自分だけを頼りとして、暴走するからこじれるのである。人に頼ったり、相談したりすれば、もっとなんとかなっていたのにと思われることも多い。それは二分法の進み方であり、また、弱みを見せない進み方でもある。

 やや唐突な引用になるかもしれないが、幸田露伴の名作「五重塔」には、寺社建築の大工である頑固な主人公が登場する。弱みを見せず、人からの助言を聞かず、自分の思惑で進んでいく。実績もないくせに、五重塔を自分の一生の仕事として建てたいと寺の上人に直談判までする。私には、暴走する若者の生き様と紙一重に思える。しかし、主人公は見事に五重塔建設の仕事をこなして、偉人となる。この紙一重のなかで、独りよがりの無礼者ではなくて、「偉人」の側に転ぶ要因とは何であるのだろうか。それは、自分の思惑を超えた使命感のようなものではないかと私は思う。最後の最後は自分の手に負えない部分が人生にあることを感覚的に認めている謙虚さと言えるかもしれない。「五重塔」の主人公も、実は夢で、「怖ろしき人」から五重塔を作れという使命を託され、それを背負いながら突き進んでいたのである。

 私たちは、親として、教師として、社会の一員として、まずは、自分の力の限界を謙虚に認め、人の知恵や思惑を超えた、あるいは努力しても如何ともしがたい運命のようなもの(すなわち摂理)のあることを認めることを、もっと真剣に教え始める必要があるように思われる。死生の教育もそうであるし、家族や祖先への敬意もそうであろう。本当の意味での宗教教育も不可欠なはずである。そこから、若者たちの生きやすい社会や関係を生む糸口が発見できるように思える。そしてこれこそキリスト者の、そしてキリスト教主義学校の最大の務めであるはずである。
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教育の課題〜弱音を見せない社会
2014.05.29 Thursday 08:36
少し長めの寸言(32)

(2)弱音を見せない社会

 中途半端に大人びている若者たちがいる。表面的な社交ができたり、小難しい知識を持っていたりする。そして親や教師の目には、問題のない、手のかからない子どもとして、また期待の子どもとして映りがちである。

 これは、彼らが、実は親をサポートする役割を担ってきたことに起因する。家庭の中で、親と子の線引きがきちんとないと、子は子としてゆっくりと成長できなくなる。時に不自然に背のびして、親を配慮し、親を安心させようと、手のかからぬ子どもを演じることになる。家庭であっても弱みを見せられないのである。しかし、内実はおそろしく未熟な部分を残すことになるのである。

 皮肉なことに、親ばかりでなく、その後の大人全般との関係においても、手のかからぬ人物を演じ続けるため、ますます周囲の評価と本人の成熟度のギャップが開き続けることになる。

教育にあって、私たちは、大人と子どもの線引きをきちんと行うこと。その上で子どもとして弱音を吐き、いざというときには大人に相談することのできる生き方を教えねばならないと思う。もちろん頑張ることも教えるのだが、同時にあきらめたり、弱音を吐くこともきちんと教えるのである。それは親や教師に向かって弱音を吐くことばかりでなく、成長の過程で自分自身に対しても限界を自覚し、断念や撤退の判断力を養うことにもつながっていくのである。

 
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分かれ道
2014.05.28 Wednesday 14:20

今日は、大学で、キリスト教音楽会として、シンガーソングライターで牧師でもある陣内大蔵さんをお招きしてコンサートがあった。



時間があったので、会場のチャペルまで、いつもの道をぶらぶらと歩く。
すると二股別れの道がけっこうあることを発見。



チャペルに上がる階段も、直進できず、左右に別れている。



そんなこんなで、まだ入場者が少ない会場に早々と着いた。

コンサートのほうは、あたりまえかもしれないが、プロフェッショナルだった。
CMで使われていた、耳慣れた曲も。

陣内さん。大学の神学部から牧師にならず、シンガーソングライターとしてメジャーデビュー。そして今は、神学校に行きなおして、牧師としての活動を行う。音楽とキリスト教。どちらもプロフェッショナルにこなす彼の人生もまた、二股別れの岐路を幾度も経験し、統合してきた凄味があった。

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クリスチャン新聞書評「牧会相談の実際」
2014.05.28 Wednesday 07:31


クリスチャン新聞(2014年6月1日号)に、拙共著「牧会相談の実際」の書評が載った。
評者は、ホーリネス教団の斉藤善樹先生。みずみずしく紹介していただいた。
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教育の課題〜中間のない社会
2014.05.28 Wednesday 07:27
少し長めの寸言(31)

(1)中間のない社会

勝ち組、負け組という言い回しを最近とくに聞くようになった。二分法の発想である。確かに、社会はゼロか百か、良いか悪いかの二分法の発想に傾いてきている。

 人間関係が続かない若者、また、課題に対して、あきらめが早かったり、逆に驚くほど高い目標を引きずり続ける若者にも、案外とこの二分法の影響が見られる。

   たとえば対人評価が良い、悪いだけの二分法になっていると良好な対人関係は持てなくなる。自分に都合の良い対応をしてくれれば、良い人で百点だとしても、それは持続するものではない。必ず、自分の意に添わない部分が相手にも出てくる。そこで、極端な二分法に生きている人は、百点から九〇点にはならない。百点から少しでもアラが見えれば、ゼロ点になるのである。神様のようにこちらを尊敬してくれると思っていたら突然怒りだし、こちらのことを悪魔のように言ってくるのである。課題の遂行もそうである。二分法では、完全に遂行するか、さもなくばすべて失敗となる。玉砕型である。

  私たちは教育において、中間を大切にしなくてはならないと思う。社会が中間を排除しつつあるからこそ、この中間を意識し、保持していかねばならないと思うのである。そのためには中間の成功を積極的に認めるし、失敗してもそれはゼロではないことを絶えず確認する必要がある。また中間の褒め方も大切だし、中間の謝り方もあるだろう。
 
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ベリー、ベリー、ストロング
2014.05.27 Tuesday 22:23
今日、偶然、斉藤和義の「ベリーベリーストロング」という曲がラジオから流れてきたのを聴いた。
短編小説のような空気があって、魅力的な歌だった。10代のころ、井上陽水の「傘がない」を聴いたときに似た感動だ。
歌を作る人がうらやましい。

→歌詞は、こちら
 
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おちゃらける若者〜何を語れるか
2014.05.27 Tuesday 07:46
少し長めの寸言(30)

それでは、私たちは、おちゃらけた若者に、何を語れるでしょうか。
私たちは、人生は寂しいばかりではないのだという励ましを、どのくらい本音で伝えられるでしょうか。
刺激的な恋愛、性、ぬくもり、グルメ、気を引くおしゃべり、個性派のふり、非日常、感動体験、スリル・・・こうしたお祭り騒ぎの高揚感に、テレクラ少女は、寂しくない自分を感じようとしていました。しかし、そこには持続した人格的な人間関係がありませんでした。ですから次々と新しい高揚感を求め、おちゃらけをエスカレートさせていきました。
ふりかえって現代の社会も、お笑い番組を求め、イベントを乱立させながら、高揚感を過剰に求めています。大人である私たちこそが、まず人との真摯な関係を見つめ直し、堅実な友情やその他の人間関係を築き上げてみせることが求められているのだと思います。そのうえで、おちゃらける彼ら・彼女らに、そのやせ我慢の部分を腹で察してあげながら、個々の具体的な援助や約束を与えていくことを、地道に続けること、そうしたことが彼らの生き方にしみいるかかわり方となるのだと思います。


 
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おちゃらける若者〜その理由
2014.05.26 Monday 09:50
少し長めの寸言(29)

■おちゃらけつづける理由
彼女(テレクラ少女)がおちゃらけ続ける理由は何なのでしょうか。なぜ困惑の感情を素直に見せてくれないのでしょうか。それは命がけで悩まないようにしているからなのです。
もし、彼女も含め、おちゃらける非行少年・少女たちが自分の人生を真剣に考え、悩んだとしたらどうでしょうか。学校から落ちこぼれ、家族からは愛想づかれ、周囲からは浮いている現実があります。自分の中でも、自信がなく、良いものが見つからない状態にいることを直視することになってしまいます。不利な学歴、葛藤のある家庭。こうしたものは悩んでみてもそうは変わりません。まして相談しても現実は変わらず、かえって説教や非難をあびてしまい、自分の無力で孤独な姿に直面させられてしまうだけなのです。それは人によっては死ぬほどつらいことなのです。
だから、おちゃらける人とかかわるためには、彼女・彼らがそうした無理をした生き方をすることではじめて不遇な状況を生き延びようとしているのだということをまず私たちが理解する必要があります。あのおちゃらけたテレクラ少女に、現実を性急に突きつけて(仮にそれが成功したとして)無防備なままに自分の孤独で真実な姿を直視させたとしたら、きっと生きていく元気や希望が持てなくなるにちがいありません。寂しい自分を認めても、また無力な自分を認めても、すべてが壊れてしまうわけではないということを感覚としてわからなければ、人が生き方を変えることは難しいことなのです。
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藤掛 明
雨の心理的イメージを鍵に、雨の降る物語を読み解く。カウンセリング論であり、人生論でもある。
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